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2026年09月08日(火)

林業事例調査2026(2日目(2):岡山県真庭市)

 2日目の午後は、岡山県真庭市を訪問し、同市役所で林業・バイオマス産業課の職員の方から話をお聞きしました。全国有数の木材集散地として、木材産業を基幹産業に据えつつ、バイオマス利用、森林管理まで一体的に取り組んでいることが分かりました。

 真庭市は県北部にあり、人口約4万人、面積は828㎢と県内では最も広い面積。このうち約8割が森林で、良質なヒノキの産地として知られています。真庭市の大きな特徴は、素材生産から製材・加工までの工程が市内で完結している点です。素材生産者は55件、原木市場は3市場、製材所は30社に上り、これらの関係者による協議会が組織されていて連携を図っています。また、木材・木製品の出荷額は、市内の製造品出荷額の約4分の1を占め、素材生産量は岡山県全体の3分の1。木材産業が地域の柱となっていることがよく分かります。豊富な木材資源を地域内で循環させようと、市では木質バイオマス発電の推進にも力を入れており、製材所から出る大量の木屑、端材、間伐材は国内でも最大規模の「真庭バイオマス発電所」の燃料として利用されています。使われ年間の地域内資源の燃料利用は10.8万トン。市では2030年までに「地域エネルギー自給率100%」という大きな目標を掲げていますが、昨年の調査では熱利用を含めるとすでに85%に達しているとのこと。国のエネルギー自給率16.4%(2024)と比較してみても驚きの数字です。

 産業振興だけでなく、森林管理にも力を入れていて、森林環境譲与税を活用した事業も積極的に展開し、森林情報のデータベース化なども進められています。林業を取り巻く現状は厳しいといわれて久しいですが、素材生産から加工業者ら一連の関係者が揃い、エネルギーの地域内循環という共通目標のもと、関係団体が協調できる仕組みがあることで、林産業が基幹産業として成立する実例を学ぶことができました。今後も真庭市の取り組みに注目していきたいです。

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 行政による取り組みを学んだ後は、アカデミー23期生で同市の地域おこし協力隊として活動している小林建太さんから話を聞きました。昨年10月に協力隊に着任し、自伐型林業に取り組みながら、「Okayama Sustainable Satoyama/Satoumi University『良好な環境を活用した観光モデル事業』(https://www.ossu-pj.com/)にも関わってらっしゃいます。

「半林半X」「百姓的な暮らし」を目指していると小林さん。Xには農的な活動も取り入れていて、原木マイタケの栽培や苗木づくりも手掛けています。他にも、牡蠣養殖で使う筏の需要が高まりから、筏用の原木の伐採や出荷も検討されています。「共働き家庭で育児もある中、限られた時間でどうやりくりしていくか」。との言葉から、ご自身やご家族にとって心地よい暮らしを実現するために模索されていることが伝わってきました。

 実際に、小林さんが山主さんから整備を請け負った山を案内してもらい、小林さんが作った作業道と、列状間伐を行った現場を見せていただきました。間伐が行われた林内は林床まで光が差し込んでいて、丁寧な作業を心がけていらっしゃるのが分かりました。今後土場として利用する場所も見せていただきました。生き生きとした表情で新たな展望を語る小林さんの表情がとても印象的でした。お忙しい中、貴重なお話を聞かせていただき本当にありがとうございました!

林業専攻2年 五十嵐 妙予