【視察報告】長良川木材事業協同組合を視察しました
こんにちは。
木造建築専攻2年の畑佐です。
7月16日(木)に石原先生引率で木造建築2年のメンバーと一緒に、長良川木材事業協同組合(以下、長良川木協)を訪問しました。
長良川木協は岐阜県郡上市白鳥町に位置し、年間製材量は約7万㎥と東海地方では最大規模の製材工場です。

(製材された材がすごい高さで積みあがっていました)
まずは同組合課長の中原さんより、長良川木協の基本的な概要について説明していただきました。
原木は60%を郡上森林組合、40%を岐阜県森連から仕入れており、土場には最大8,000㎥(約37,000本)を置くことができます。

(あまりにも広すぎる土場)
製材設備は、もともとツインバンドソーと呼ばれる製材機が4台、横バンドソーが3台という構成でしたが、2021年に大径材向けのシングルバンドソーを追加し、スギ60㎝材まで対応できるようになっています。
また、多くの製材所で導入されている選木機をあえて置かず、原木の受け入れ規格を厳しくすることで選木工程そのものを省略している点も特徴的でした。
仕入れ段階で品質を揃えることで、工場内の工程をシンプルにしているとのことで、これまで見てきた製材所とは違う運用方法が新鮮でした。

(製材ラインの様子)
乾燥機は50㎥の高温乾燥機が20基あり、構造材はすべて人工乾燥を行っています。
一方で、板材は基本的に天然乾燥で仕上げているとのことで、製品ごとに乾燥方法を使い分けている点が興味深かったです。

(乾燥機の説明を聞く)

(製材品倉庫の様子)
長良川木協の特徴として、帯鋸の研磨を自社で内製化している点があります。
課題研究にて帯鋸の目立て技術について扱っているので、この内製化の仕組みを伺うのも今回の訪問の目的でした。
研磨担当は4名で、毎日12枚以上出る帯鋸をすべて社内で研磨しています。
これだけ枚数があると外注では回らず、内製化した方が安定し、コストも抑えられるとのことでした。
刃形状を一種類に統一しているため、研磨機も最小限で済み、技術習得も数年あれば可能だそうです。数ヶ月で覚える人もいれば、2年かかっても難しい人もいるなど個人差はありますが、テキストはなく、ジョブローテーションの一部として研磨を経験していくスタイルが印象的でした。

(目立て工場内の様子)

(粗削り機で帯鋸の刃を研磨する様子)
内製化による目立て技術はどうしても企業に特化したものになるため、応用可能な技術にはなりにくいという課題はあります。
ただ、設備を整えて作業を標準化することで、これまで習得に長い年月が必要とされてきた目立て技術を、数か月から数年で身につけられるようにしている点は、後継者育成の課題に対する一つのヒントになるように思いました。
最近は外部から目立ての相談が寄せられることもあるそうで、長良川木協が地域の目立てを部分的に支えるような役割を担う可能性も感じられました。
お忙しい中、ご丁寧に対応いただき、本当にありがとうございました。
大規模製材の仕組みや現場での工夫を直接見て学ぶことができ、とても有意義な時間になりました。
今回伺った内容を、今後の研究にもしっかり活かしていきたいと思います。
木造建築専攻 畑佐