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2026年06月02日(火)

はじめての設計!はじめてのコンペ!自力建設2026プロポーザルコンペが開催されました

入学してちょうど二ヶ月。課題発表から一ヶ月。
建築設計未経験者がほとんどの中、今年も自力建設の設計者を決めるプロポーザルコンペが開催されました。

今年の課題は「育苗用実験温室」。苗の育成と木構造の腐朽対策を同時に行うという複雑な条件です。

今年の建築専攻一年生は6名。想定施主の中森先生や森林研究所にヒアリングを繰り返し、夜を徹して案をまとめ上げ、本日、全校生徒、全教員にプレゼンしましたので、その様子をレポートします。

コンペは、全校生徒が入れる大きな会場に模型とポスターを並べ、ひとりずつスライドでプレゼンしていきます。

まず、辻先生の課題説明です。今日は設計内容ではなく設計者を決めるコンペであること、投票用紙は一人一枚。施主以外は一票ずつの投票権があり、この投票で今年度の棟梁兼代表設計者が決まることが示されました。発表時間は15分。質疑応答が5分です。

次に、一年生を代表して稲垣さんから共通事項説明。
細かな敷地の条件など、6人の提案に共通する諸条件をわかりやすく会場に共有します。

トップバッターは、桑原陽向さん。
「翠繫舎」(スイケイシャ) というタイトルの建築です。現況の苗配置に一覧性がないことから、一棟集約型としました。模型がわかりやすいですね。
仕上げまで丁寧にプレゼンで説明しました。意匠だけでなく、光を透過する屋根や、腐朽対策の注入防腐剤の性能を、化学的・定量的に解説しており説得力がありました。
現実主義者ですね。建築設計には大切なことです。

 

 

二番手は本多健二さん。タイトルは「あわいの庭」です。本多さんはアカデミーエンジニア科林業コースからクリエーター科に進学してきた異例のルーキーです。
はじめての設計、模型製作、パワポでプレゼンでしたが、わかりやすくまとまっており、自信を感じる佇まいが様になっていました。
風通しや腐朽対策も提案に入れており、現実味のあるプレゼンです。とくに周辺樹木の伐採について「伐採したほうがいい」と言い切ったのは、林業経験者ならでは。
会場も「かわいそうだから伐採しないほうがいい」という空気が弱くなったと感じました。

 

 

三番手は稲垣道生さん。タイトルは「屋胎」(ヤタイ)。

落ち着いた発表で安心感がありました。
棚を並べた屋台のようなものと、ベースとなる小屋をつくるという案。一つの建物で完結するという先入観から脱した、フレキシブルな空間です。
課題の抽出が的確でした。

 

 

四番手は、高橋玄さんの「カサベルデ」。

わかりやすいコンセプトと、スペイン語で「みどりのおうち」というタイトルはなかなかおもしろい提案です。
スカルアートをみせたり、奇をてらったプレゼンでしたが、それは表現方法だけで、コンセプト、タイトル、性能について丁寧に説明がされていました。
プランもシンプルで機能的。骨組みもスタンダードで強そうです。実直な案と奇抜な発表という感じでたのしく聞けました。

 

 

五番手は、渡邉万裕さんの「悠然」。

身体感覚から選び取った言葉で構成された良いプレゼンでした。
15分のプレゼンで40枚のスライドと、聞く人にきちんと伝えたいという強い気持ちを感じました。
コンセプトに含まれている「複雑でないこと」というのもとても大切なこと。
質疑で「自分がはじめて建築設計をしているのでわからない」と言えたのは良いことです。嘘をつく必要はないので。
「レストランの設計でフライパンは提案しない」で渡邉さんの考え方の質がわかったのもよかったです。

 

 

最後は、梅田祐介さん「はじまりのもり」です。

コンセプトを言語から練り上げ、什器の配置からの建築を考えるという、建築学部的なアプローチです。よくまとまっています。
格子や片流れ屋根も、敷地内の他の建物と親和性が高い形状です。
模型の作り込みも、さすが今年度唯一の設計経験者という感じでした。

 

 

毎年のこと、というかアカデミーの素晴らしいところですが、いつも会場からは活発な質疑が飛び交います。

休憩中も、施主の中森先生はいろんな質問をしてくださいました。質問に答えることは、大きな学びです。

展示の様子。みんな興味津々でいろんな感想や質問をくれました。

開票は6/3。
運命が決まる、棟梁決定です。

誰に投票するか、わたしもまだ決めれていません。

 

建築教員:松井匠