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2016年06月10日(金)

木工の体・頭をつくる。木工機械使用法が始まりました。

森林文化アカデミー 木工機械

今年も木工機械使用法がはじまりました。今年の1年生の木工志望者は10人と例年に比べ2倍以上、さらにカリキュラム再編で他分野の授業も履修できることになったため、さらに多くの学生がこの授業をとることになりました。基本の基本である木工機械の安全な使い方を習得する授業であるため、今回は特別に学生を2つに分けて、2回授業を実施することにしました。

さらに、例年と違う点は、これまで一つの授業でさまざまな加工方法を学び、課題を制作していましたが、今年は、「木取り」「成形・加工」と木工機械使用法を2つの科目に分けました。これは成形・加工の技術までは必要ないけど、荒材を欲しい寸法に仕上げる、木取りはできるようになりたい、といった学生の要望を受けてのことです。

ということで、例年とは少し違う形で実施することになった木工機械使用法ですが、学ぶ機械は一緒です。
クロスカットソー
バンドソー
手押しかんな盤
自動かんな盤
昇降盤
横切り盤
ボール盤
「木取り」の授業ではこれらの機械を使えるようになってもらいます。

森林文化アカデミー 木工機械

まずは、各機械の安全面について説明し、それから基本的な操作方法を説明します。そのうえで、学生一人一人に作業をしてもらいました。

今回の題材は、グリーンウッドワークで使う「削り馬」と別の授業で教材として使う「道具箱」の木取りです。アカデミーで製材、乾燥された4mのヒノキを設計図と木取り表をもとに各パーツを作っていきます。この材料を見ながら、どう加工していくかを考えるのも木取りの大変重要なところです。

また、この授業では、各機械の操作法を覚えるだけでなく、ものをつくる順序、つまり木工で基本となる工程の組み立て方を覚えることになります。これらは、授業の中で何度も教員側から投げかけをすることで、前後の工程を常に意識して作業をしてもらうようにしています。そして各機械でのセッティング、操作、加工精度が後工程にどう影響を及ぼすのか、作業を通じて体験してもらいます。

森林文化アカデミー 木工機械

中には、手押しかんな盤で平面出し作業をしていて、どれだけやっても平面が出ず最終的に欲しい寸法を下回ってしまったり、昇降盤を用いての巾決めで寸法をミスしてしまったり、と様々なミスが発生します。そうやって各自が起こしたミスは、その原因と併せてみんなで共有していきます。

人数が多く、機械の待ち時間も長くなりがちですが、各自がすこしでも効率よく作業を進めるためにはどうしたらよいかを良く考え、動いていたのが印象的でした。また人が多いというのは、役割分担を決め、お互いに協力して作業を進めることにもなるので、そういう意味ではよかったと思います。

慣れないうちは変に力が入り、一日終わるとへとへとになってしまいますが、それでも一日中木工機械相手に四苦八苦しながら作業すること、そしてそれを繰り返すことで体の使い方、効率的な作業の流し方、そして考え方が身についていくと思います。

1年生はまだまだ始まったばかり。これから反復練習をしっかりこなして、木工の体と頭を鍛えていってもらいたいと思います。