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2025年08月07日(木)

【‘25夏 木工事例調査③】なかつがわ森の木遊館

中津川市を訪問して行った木工事例調査。次に訪問したのは、付知の道の駅にある「なかつがわ 森の木遊館」です。その時の様子を森と木のクリエーター科木工専攻の学生がレポートで紹介します。

なかつがわ森の木遊館

なかつがわ森の木遊館

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木工事例調査1日目の午前は、「なかつがわ 森の木遊館」を訪問しました。

道の駅花街道付知に昨年8月にオープンした「なかつがわ 森の木遊館」は岐阜市にある「ぎふ木遊館」の初めてのサテライト施設です。

岐阜県では、令和4年度に「ぎふ木育」の全県展開の一環として、「ぎふ木遊館サテライト施設」整備の方針と候補地の募集を行いました。中津川市はこれに応募し、県内第1号のサテライト施設として誕生しました。
中津川市は「森の担い手育成拠点施設」と位置付け、この地域に根差した独自の「森林文化」を背景とした木育や森林環境教育を通じて、子どもから大人まで、幅広い年齢層が木に触れ、木に親しみ、森林とのつながりを体験していくことを目指しています。

滑り台を中心に、空間は様々なエリアに分かれています。小さなお子さんとご両親が一緒に遊べるスペースに加え、大きなお子さんが想像力を働かせて遊べる十分なスペースとおもちゃも用意されています(「大きなお子さん」には、アカデミーの生徒や先生も含まれます!)。
訪問中は、別の専用スペースでクラフトワークショップも開催されていました。

さるぼぼを模した木のおもちゃ「つみぼぼ」

さるぼぼを模した木のおもちゃ「つみぼぼ」

前野先生が作ったクーゲルバーン

森の木遊館のクーゲルバーン

去年、アカデミーの工房で前野さんがクーゲルバーンを作っているところは見たことがありましたが、実際に動いているのを見るのは初めてでした! クーゲルバーンの車には、昔の中津川の林業従事者が丸太に文字を刻んでいたように、文字が彫ってあるのがとても可愛かったです。実は、その日の朝、山守史料館で林業の歴史について学んだばかりだったんです!

クーゲルバーンの丸太の文字

クーゲルバーンの丸太の文字

昔の丸太に書かれた文字

昔の丸太に書かれた文字

木遊館をご案内頂いた、中津川市職員の田口さんが教えて下さった興味深いデザインの特徴の一つは、建物の建設にヒノキとサワラが使われていたことです。この特徴は、滑り台のデザインにも取り入れられ、上部にヒノキ。下部にサワラが使用されています。実際に裏木曽の山には、このような2つの樹種が1本の木になった合体木(がったいぼく)があるそうです。

合体木を模した遊具

合体木を模した遊具

昔の伐採を表現したアート作品

三ツ緒伐りの伐採を表現したアート作品

滑り台へと続く階段にも、地元の様々な樹種が使われています。
田口さんは、滑り台の階段に手すりを追加するなど、継続的な改善が必要な点も指摘しました。当初にあった手すりは大人用の高さにあったため、運用が始まってからわかったことですが、階段を登るのに自信のない小さな子どもたちは、何かつかまるものが必要でした。

後から設置された子ども用の手摺

後から設置された子ども用の手摺

外国人にとって、嬉しい驚きがいくつかありました。まず、専用の授乳室があること。日本では珍しくありませんが、オーストラリアでは珍しいです。次に、子供サイズの洗面台があること。保育園や小学校以外では見たことがありません!親子で快適に過ごせるように、ちょっとした工夫が凝らされていました。

子ども用に設置されたシンク

子ども用に設置されたシンク

木遊館を訪れるだけでなく、遊ぶことができたのは本当に素晴らしい経験でした。地元の子どもたちも、訪れる子どもたちも、このように美しく、思慮深く設計された空間で遊び、学ぶことができるのが羨ましいです。
このたびは素敵な施設の見学と体験の機会を頂き、ありがとうございました!

クリエーター科木工専攻2年
ベケット リンド