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2025年12月04日(木)

【授業報告】合板・LVL、木質ボードに関する授業を行いました

クリエーター科・木造建築専攻とエンジニア科・林産学コースの共通科目「木質材料学」では、多様な木質材料の最新知識を習得するために、昨年度より各材料のプロフェッショナルを招聘して授業を行っています。

11月の同授業では、合板・LVLの専門家である北海道立総合研究機構・林産試験場の古田直之氏、木質ボードのメーカーで研究開発に従事しているDAIKEN㈱の福井杜史之氏を招聘して授業を行いました。

今回の授業の前半では、座学にて「合板・LVL」と「木質ボード」の概要について学びました。

学生からも活発に質問が出ていました。

私(石原)も、木質材料に関する一通りの知識は有しているつもりなのですが、あらためて専門家の話を聴くと、新たな発見があります・・・学生と一緒に聴講させてもらいました。

授業の後半では、「合板」と「木質ボード」の製作体験を行いました。

今回は、スギ合板とシラカバ合板を製作しました。

材料である「単板(ベニヤ)」も、普段は見ることがないかと思います。

(※当校にはベニヤを作るロータリーレースはありません)

接着剤の塗布後は、ホットプレスで圧締します。

ついに合板が完成!

シラカバ合板には「きれい、内装にもそのまま使えそう」といった声があがります(かつてはパルプへの利用が中心だったシラカバですが、昨今では様々な利活用方法が模索されています)。

続いて、木質ボードの製作体験です。

まずはMDF(中密度繊維板)を作ります。

接着剤を散布後、成形します・・・

・・・これだけの量の木繊維が、僅か4mmの板になります。

最後はプレスで圧締します。

合板もボードも、わずかな圧締時間(5~10分)でプレスが完了するのは大きな利点です。

今回はMDFだけでなく、学内の木材切削作業で生じてしまった「プレーナー屑」をボードにしてみました。

・・・どんなボードができるのか楽しみです。

・・・かなり綺麗な仕上がりです。

来年度以降の、木造建築専攻の「自力建設」の中でも、ボードの作製&利用をしてもいいかと思います。

木質材料は多岐に渡り、学生にとっては馴染みの少ないものもあるかもしれませんが、このようにプロフェッショナルの授業を受け、加えて自らの手を動かすことで、各材料の特徴を正しく理解できるのではと思っています。

一連の授業が、学生さんの木質材料に対する理解と愛着に繋がってくれれば・・・幸いです。

 

最後に、(今年も)ご多忙の中、授業と実習の準備をしてくださった講師の両氏に、この場を借りて深謝いたします。

 

講師 石原 亘