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2026年10月08日(木)

大工合宿、大苦戦の刻みと仮組(自力建設2026「はじまりの森」)

8月2日~4日、8日~11日で大工合宿「刻み」の授業が行われました。

前回の「墨付け」はクリエーター科の5人のみでしたが、新たにエンジニア科の林産業コースに進んだ2年生3人が参加し実際に接合部を加工する「刻み」の工程に挑みます。

(大工さんに指導いただき徐々に体で覚えていきます)

 

と言いたいところですが……今回の自力建設はとにかく格子の耐力壁が多く、墨付けが終わりません。自分も含めクリエーター科3人は引き続き墨付けをすることに。正確に合わせるために検棹(けんざお・物差しとなる、細長い角材)をつくり進めていたのですが、いざ墨付け終わった部材を並べると、2,3ミリずれている悲劇が。

同じものが水平に並ぶはずの部材で3ミリのずれは、当然誤差では済まされない範囲です。

3人で無言になり空気が重くなるのを感じました。なぜ?原因は効率をあげるために2本の検棹があったり、木材の反り、それぞれがメジャーで測り直すなど、「同じ方法」で墨付けをしていなかったことにありました。半分以上終わっていた作業をイチからやり直す、まさに「大苦戦」の墨付けでした。

 

一方刻みは梁と桁を、クリエーター科2名、大工さん1名で挑みました。 

梁は両端に勾配を付けるデザインのため、丸鋸で斜めにカットする必要がありました。 

これがとても難しく、重心移動のバランスが掴めず、引き抜く際に何度もキックバック未遂をし、命の危機すら感じながらの作業でした。最後まで集中を切らさないよう集中して切り進めましたが、墨通りにはなかなかいかず、最後の2、3本でようやくしっかりと切れるようになりました。 

 

また、梁桁ともに一本の材では寸法が足りないため、二本の材を凹凸で継ぎ合わせて一本の材にします。 

この「継ぎ手」は、丸鋸と鑿を巧みに使いながら加工していきますが、やはり私たちでは削りすぎたり削らなすぎたりして、継いだ際に隙間ができてしまいました。 
そんな時大工さんが、何も言わず素早く丁寧に修正して下さり、しっかりと隙間なく継ぎ合わせることができました。背中で語るとはまさにこういうことですね。と感動しつつ、 

自らの感覚と培ってきた技術を信じ、その体ひとつで素晴らしい技を生み出す大工さんの背中がこの上なくかっこ良く感じました。 
梁、桁チーム2名も密かに何度も壁にぶち当たり、まさに「大苦戦」でしたが、完成したすべての登り梁を見た時は、感無量でした。 

 

(両側から斜めに刃をいれる難しい工程)

新たに参加したエンジニア科の3人は今回の耐力壁である格子壁の加工を担当しました。

格子を作るためには横材と真ん中の柱を相欠きという加工で組み合わせ、ほぞ(部材を固定するための凸部分)と対応する箇所にほぞ穴をあけます。これをひとつ作るのにはまず材を正確な長さに切る→ほぞをつくる→相欠き部分に細かく刃を入れ→鑿できれいに欠き取る→ほぞ、角の面を鑿で取る。という工程です。

実際にやってみるとそれぞれの工程で繊細で根気のいる作業です。

 

100本。これが今回の格子の横材の数です。丸5日かけて(大工さん、先生も含め)終わりの見えなかった工程をなんとか完走しました。途中「相欠きは仕口に少し傾斜をつけないと入らない」という大工さんから助言があり、ひたすら鑿で削り取る日もありました。エンジニア科の3人は僕たちクリエーター科よりも工具を使うのが上手で、彼らなしでは達成できませんでした。

 

(大型の丸鋸を使いこなし貫禄もでてきました)

 

みんなの頑張りで部材の加工を終え、最終日は仮組(実際に部材を組んで建物が建つか確認すること)を行いました。土間に通り芯の墨をつけ、土台を置き、上に格子壁を組んでいきます。組むといっても単純ではなく、順番をなければすべての材がはまりません。大工さんとみんなで加工した材は精度がよく、ハンマーで叩くとしっかり固定されていきます。

ヒノキ材の120ミリ角格子壁は想像の5倍重くてびっくりしました。最後に構造用ビスで継いだ6メートルの登り梁をかけ、全体で組めることを確認し、仮組は完了しました。

その後、組んできた順番に解体し、お世話になった建物を掃除。すべての工程を終えました。

 

この8日間は、それぞれが苦労しながら描いた図面を「こころとからだ」を使って徐々に形にしていく。そんな感覚で過ごしていました。半世紀以上前に先人が未来のために植えた木々を先輩方が山から切り出し、製材、乾燥までをしていただきました。設計をもとに、プレーナーできれいな角材に仕上げ、加工し、組み上げる。

多くの大事なことを、木と、そのまわりで生きる人たちから教わった日々でした。

 

丁寧に段取りを組んてご指導いただいた大工さん、東農ひのき製品流通組合の坂井さん、大島さん、先生、助っ人に来ていただいた先輩方、本当にありがとうございました。

 

これからもお楽しみに!

 

(最終日、ついに仮組完了!みんないい顔。少し休んでまた一歩一歩進みます)

木造建築専攻1年 梅田、渡邉