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2023年08月15日(火)

天井断熱、漆喰仕上げ(自力建設2022「丁稚基地」)

今回の自力建設は倉庫ですが、住宅で使用する断熱材と漆喰を使用しています。
ですので、断熱と漆喰について紹介していきたいと思います。

壁と天井にはスイス漆喰を塗りました。
既存部分の改修は石膏ボードで下地を作成し、パテ埋め、ミネラル下地材、漆喰という手順で行いました。
こちらは、一般的な施工方法になります。

石膏ボードを既存柱間の寸法にカットして、貼り付ける小島

パテ塗りをするけんちゃん(棟梁)

ローラーでミネラル下地材を塗り広げる坂本

増築部分天井に関しては、日光が強い場所なので、60mmの木繊維断熱材を入れています。
この断熱の効果は「暑い夏の天井は何℃?」をご覧ください。

漆喰は断熱材に直接塗りました。
この施工方法は施工仕様書とは異なった施工になります。
今回は倉庫なので、実験的に直接塗ることにします。
施工時、ミネラル下地材が断熱材に吸収され塗り広げづらかったです。
下地施工後、漆喰は問題なく塗ることができました。

今のところ剥がれ落ち、ひび割れはしていません。
正しい施工方法ではないので、同様の施工をする際は自己責任でお願いします。

施工の注意点としては、漆喰が強アルカリ性なに対して、木材は弱酸性なので木材に漆喰が付着すると黒く変色します。
木材と接する部分は養生が必須です。
また、強アルカリ性で手がとても荒れるので、手袋の着用が必要です。(私は肌が強い方ですが、荒れ荒れに)
断熱材を貼った後は、石膏ボードと同様パテ埋め、ミネラル下地材、漆喰と順に塗ります。

ウッドファイバー シュタイコ デュオのカット

屋根のACパネル野地板にウッドファーバーを取り付け(パテ処理)

夜遅くまで続いた天井漆喰塗り(屋根はウッドファーバーに直塗)

今回使用した木繊維断熱材とスイス漆喰の特徴
・木繊維断熱材「シュタイコ・デュオ」
 原料は針葉樹の木端になります。
 断熱性能はグラスウールやスタイロと同等です。
 湿度調節、遮音性、防音性がある天然素材になります。
 木材は燃えますが、細かい繊維状の木端が集まっているので、炎が近づいてもすぐに炭化し燃えにくい特性を持っています。

・スイス漆喰
 スイスアルプルの高純度の石灰石を使用した天然素材100%の漆喰です。
 糊や合成樹脂などの化学物質も使用せず、呼吸性、調湿性能を持った人間にとっての安全な材料です。
 強アルカリ性のスイス漆喰はカビの発生を抑えることができるので、湿気の多い日本の気候に適した材料と考えられます。

なんとか、全ての壁と天井を塗り、仕上げが完成しました。
漆喰を塗る作業も同級生や後輩などの助けがあったのでここまで来ています。
手伝いに来てくれた方々本当にありがとうございました。

木繊維断熱材とスイス漆喰は全て株式会社イケダコーポレーション様から提供頂きました。
今回も素晴らしい商品を提供して頂き、本当にありがとうございます。

 

木造建築専攻 2年 坂本 一哲