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2025年05月21日(水)

建物を測って描くはじめての図面「空間認識」

今年度自力建設の課題は「屋根付きチェーンソー練習場」で、一年生は5月27日のプロポーザルコンペに向けて各自の設計案を進めていますが、
設計と同時進行の授業では、木造建築のつくりと図面の描き方を学びます。

森林文化アカデミー授業「空間認識」の様子

美濃の5月は気候が良く、最高の実測日和です

アカデミーの自転車置き場は自力建設第5期の「Switch」です。
大きく伸ばした軒を柱の代わりのトラス構造で支えた、機能性と手裏剣型の構造の面白さが光る秀作です。

森林文化アカデミー授業「空間認識」の様子

仲間と測りながら描いていきます

「実測野帳」作成とは、すでに建っている建物を手描きの図面にして寸法を入れることで、古民家など既存建物調査で行われる手法です。
この授業では、実測野帳作成を通して、建物を観察してつくりを理解することと、見やすい図面の描き方を同時に学びます。

森林文化アカデミー授業「空間認識」の様子

初の手描き図面。みんな集中して描いています

森林文化アカデミー授業「空間認識」の様子

清書しなくてすむくらいに正確に、美しく描くことを心がけます

森林文化アカデミー授業「空間認識」の様子

図面にしなくてはいけないので、建物を細かく観察するようになります

 

図面は常に、第三者が見てもわかるように描くのが鉄則。
「後でCADで清書するためのメモ」ではなく、本番の実測図面であり、誰に見せても理解しやすい図面を心がけるのが大事です。
フリーハンドで絵ができたら、赤ペンで寸法を入れて完成。
寸法の一つ一つに設計者の意図があり、建物への思いも感じることができます。

良い建物の実測野帳を採ることは、良い木造建築の設計への一番の近道です。

 

森林文化アカデミー授業「空間認識」の図面

平面実測野帳。良く描けました

森林文化アカデミー授業「空間認識」の図面

矩計実測野帳。目の前の建物を断面でイメージするのに苦戦している人もいましたが、後半は慣れてきました

「伏図」という架構の図面もできました

 

ここで得たスキルで、コンペに向けた各自の設計案を詰めていけることでしょう。
発表が楽しみだな〜。

 

准教授 松井匠