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2024年01月10日(水)

高知林大 合同設計ワークショップ(後編:設計作業&プレゼン)

午前中に行った野帳(実測図面)をもとに夕方からは設計プランニングのスタートです。

設計スケジュールは12月16日(土)夕方~12月18日(月)午前中までの足掛け3日間。

各班それぞれが、実測中に感じたことや野帳をもとに設計プランを組み立て始めました。

方向性を話し合う班、ひとまず時間を区切り各自で設計案を考えて提案しあう班など、方法はチームによって様々です。

ともに過ごすのは4日目とはいえ、本格的に一緒に作業するのはこの日が初めて。最初はチームとしてうまく作業を進められるかお互いに不安な気持ちもあったかもしれません。
とはいえ限られた日数で形にしなければならないので、不安を感じる暇もなくむしろ和気藹々とした空気感で積極的な話し合いが進んでいる班ばかりで、私としては周りの進捗状況と自分たちの進捗状況とを比較して焦りを感じてしまうほどでした。

そんな私たちの班は

①まずは各自感じたことやプランイメージの共有

②班としての方向性を話し合い

③各自設定時間でプラン案を考えて提案

という順序で進めていきました。

各自1時間ほどでプラン案を考え、話し合いのスタート。
高知林大の田中君は議事録をとることがこれまであまりなかったようで、議事録をとる私たちのやり方に驚いた様子で「勉強になります!」とのこと。
学校それぞれのやり方・いいところが共有されて切磋琢磨するのがこの共同設計演習の醍醐味なのかもしれません!

大方この話し合いで方向性は決まり、プラン内容を深める方向性で作業を進めていきました。

17日(日)昼頃からは先生に向けた中間発表です。
私は緊張しいなのでこのような場でのプラン説明はやはり緊張で頭が真っ白になってしまいます…

先生方からは良かった点や改善点の指摘などをいただき、ふりだしに戻ったようなそんな気持ちにもなりながら設計作業の再開です。

自分たちの目指す方向性を改めて考えながら、途中で先生にも相談しながら、夜も更け、日付がかわり、そして気が付けば外は明るくなってました。

※全員徹夜したわけではありません

そして迎えたプレゼン当日、

疲労を抱えたまま訪れた梼原総合庁舎の会場(議場)の雰囲気におそらく全員が飲み込まれたかもしれません。
しっかりとした会場セッティングになっており緊張感が漂っていました。

ついにプレゼンのスタートです。梼原町の5人の担当者の方々の前で各自がこの3日間で作り上げたプランを各班15分程度で発表していきました。

1班は「環境」「形態(外観等)」「内装」「構造」の4項目に分けた説明をしつつ、作家として活動する子育て世代のための仕事場兼住居としての改修案を提案。

また、私たち2班は梼原町の文化や歴史、町の商業の様子などから「木工作家の住居兼作業場&店舗&ワークショップスペース」として改修し、町に新たな活気を作りだすことを提案。

3班は梼原町で栄える林業にフォーカスし、地域おこし協力隊など「林業従事者が住みよい且つ家事動線を意識した自宅」として、土間空間や1階部を大胆に駐車場にするなどの改修案を提案。

4班は移住をする不安感・心境を、実際の経験で寄り添いながら考えた「ワークショップスペースを備えた木工作家さんの自宅」を、地域にひらけたパブリック空間とプライベート空間を「ひらいて、とじて」というテーマで改修案を提案。

各班が特色を持った案を提案する中、担当者の皆様から積極的な質問や、細かなご指摘、あたたかなお褒めの言葉などが飛び交い、最後に和やかな空気に包まれ無事に改修プランニング演習は幕を閉じました。

のちに「年度内にでもぜひ設計に移りたい!」という梼原町の担当者からのお声も出たとのことで、いいプランを提案できていたのだと感じホッと胸をなでおろしました。

街並みの中にある建物を改修し、そして移住者を誘致するのはただ間取りプランを考えるのとは違う難しさがたくさんありました。
「景観」「地域性・文化」「近隣住民との関係」「町に必要な要素」など…上げ始めればきりがありません。
建築を学び始めて約8か月の私にとってとにかく学びのある時間になりましたし、かねてから世の中でも課題とされている「空き家問題」に対して、いかに対応していくかを改めて考えさせられました。

末筆ながら、この数日間高知林大の皆様から「アカデミー生のグループ感、協力体制」などをお褒め下さることが何度かあり、改めてアカデミーのあたたかな空気感の中で学べていることをありがたく感じるとともに、これから先もチームとしての絆を深めていきたいなと感じたものです。

木造建築専攻1年 三輪昂寛