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2025年08月22日(金)

集え芝主!(自力建設2025「紡木人」)

 自力建設「紡木人」では、ランドスケープを構成する重要な要素として、建造物と外構植栽をセットで考えています。

 その一環として、敷地に生えていた芝の面積を拡大させて、涼しくて気持ちの良い空間をつくりたい!そこで立ち上がったのがこの「芝育成プロジェクト」。

(学内発表プレゼン資料より。芝は気化熱の作用で周辺温度を下げてくれます)

 

先日の自力建設の学内発表で、芝の育成をいっしょにしてくれる人、名付けて「芝主(しばぬし)」を募集しました。計画としては以下のようなものです。

 

1、活発に活動する夏季の間に、敷地に生えている芝のランナー(匍匐茎)を採取し、パレット(栽培用の箱)に移す

2、お世話をする

3、敷地の植栽基盤の改良を行ったのち、来年の春になったら敷地に戻す。(春は移植のダメージの少ない季節)

 

 芝の生態や栽培方法、移植方法については、自分たちで調べたほか、森林環境教育専攻2年生のうえぽん、morinosのJIRIさん(川尻さん)、柳沢先生からいろいろとアドバイスをいただきました。大変勉強になりました!
 芝プロジェクト第1弾として、7月末から8月にかけて、①の「パレットづくり&芝のランナー移植」をワークショップ形式で行うことにしました。製図や製材の合間を縫ってせこせこ準備を進めます。

 

ワークショップの事前準備

 まずはパレットから。パレットとしての役目を終えた後のことを考え、当初、釘やビスを使わない作り方で進めるつもりでした。金物や接着剤が使われていなければ、そのままmorinosで子どもたちのトントンカチカチに使ってもらえたり、薪にして燃やしたりできるからです。
 そこで前野先生の力をお借りして、木ダボで箱を組み上げる方法について教わりました。快く依頼を引き受けてくださり、わざわざ試作用のダボを作って、実際に作ってみせてくれました。

(八角形のダボ。割れが入っていて板としては使い道が見当たらなかったクリ材を利用)

 

 しかし初心者にとっては組み上げる難易度が高いことや、準備にかける時間が多くなりすぎるということがあり、申し訳なさを抱えつつ断念。インパクトドライバーで引き抜くことができるということでビスに変更しました。

(パレット用の板を製材)

 

パレット用の材の製材もしました。自力建設用の材のなかから、寸法が小さくて使いどころが難しい板材をピックアップして製材します。紡木人用の製材と並行して、パレット25箱分で合計200の部材を作りました。

(25箱分の部材を用意しました)

 

 また、敷地を歩き回って、芝の生えている場所や状態について観察しました。これが「コウライシバ」という名前を持っていることも知りました。コウライシバを観察しているうちに愛着が湧いてきて、葉の形でノシバとも見分けがつくようになりました。柳沢先生、樹木同定にコウライシバも出してください。

 

そして使うための土も準備しました。これは後からご紹介します!

 

そして迎えたワークショップ当日

ワークショップは全2回の開催で、6名の方が参加してくれました。夏休みに入っているにもかかわらず参加してくれた皆さん、ありがとうございました!
参加者にはひまちゃん(畑佐さん)がデザインしたリーフレットを配りました。めちゃめちゃクオリティが高い…!

 

芝育成プロジェクト リーフレット.pdf

 

まずはパレットづくりから。コウライシバの妖精「しばちゃん」に教えてもらいながら頑張りましょう。

 

 パレットの作り方をとても簡単に紹介すると、墨付けして、クランプで箱の形で固定して、ビス留めして、完成!という流れです。DIYや木工に親しみのない人でも参加しやすいように、簡潔さを重視ました。

 皆さん、ワイワイしながら、集中して取り組んでいました。

 はじめて工具を触るので緊張するという方もいらっしゃいましたが、やっているうちに「楽しい!」という声が聞こえてきてこちらまで楽しくなりました。

 

***

無事パレットができあがりました!少し休憩をはさんでから、さっそく土をパレットに投入します。投入する土は、腐葉土と赤玉土を6:4の割合でかき混ぜた栽培のための土です。

 

これも、予算が限られているなかでいい土を用意しようと有識者の方々に聞いたり自分たちで調べたりしながら検討しました。腐葉土は有機質に富み栄養分が豊富で、赤玉土は水はけや通気性に優れています。
皆で土をもりもり移しては均していきます。
土を投入し終わったら、芝のランナーを採取するために、紡木人建設予定地に移動。

ランナー、またの名を匍匐茎(ほふくけい)とは、地面に沿って這うように伸びている茎のことで、伸びた先の節から根を生やして生育範囲を広げようとしています。

 今回はその性質を利用して、ランナーを切って土に植えておくことで根を張らせようとしているわけです。

 これでもかと照り付ける真夏の太陽を浴びながら、ランナーをハサミで切って集めます。

なかなかにシュールな光景。
このままだと熱中症間違いなしなので早々にきりあげました。
戻っていい感じに土に植えます。

(よく育て~~)

(皆思い思いに、イラストやサインを描いています。近くを通ったら確認してみてね)

これでワークショップは終了!3時間ほどですが、内容たっぷりでお届けしました。

植えた芝は、芝主たちで協力しながら水を朝夕、こまめにやっています。
暑すぎて大丈夫か心配していましたが、多くは根付いてくれたようです。

 

 

成長の様子は、後日のブログをお楽しみに。

Special Thanks(順不同)
うえぽん
JIRIさん
柳沢先生
前野先生
芝主の皆さん

 

木造建築専攻1年 千々和駿

 

 

 

 

おまけ

「日なたのあやとり:あり得るかもしれないもうひとつの物語」