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2017年11月05日(日)

木工旋盤で、身近な木を生かす

岐阜市の有名なコーヒー専門店SHERPA COFFEE ROASTERSで、森林文化アカデミー学生の制作したカフェプレートと、ナッツボウルを使っていただくことになりました。店主の中垣文寿さん(左)と、制作した田中正夫さんです。

会社を早期退職して50代で森林文化アカデミーに入学してきた田中さん。木を回転させて削り、お椀やお皿を作る木工旋盤を中心にやりたい、身近な森や公園などで伐られる木をものづくりに生かしたい、という希望を持っています。1年生の時にさまざまな木工技術を幅広く学び、2年生でテーマを決めて特定の分野を深めていく(課題研究)のが森林文化アカデミーの木工専攻におけるスタイルです。

中垣文寿さんと田中正夫さん

カフェプレートとナッツボウル

 

田中さんは昨年末、岐阜市の造園業者が伐採したイブキの丸太を見て何とかしたいと思い、森林文化アカデミーで林業を学ぶ同級生たちの力を借りて現場でチェンソーで玉切りし、学校に持ち帰りました。伐採されたイブキ

イブキの断面

イブキと田中正夫さん

 

ちょうどその頃、SHERPA COFFEE ROASTERSの中垣さんから、コーヒーの試飲会をする際にお客様にお出しするポットやカップを乗せるプレートと、コーヒーに合うナッツやドライフルーツを入れる器がほしいので、作り手を紹介してほしいと依頼がありました。ちょうど良い機会なので、田中さんの課題研究の一環としてご協力いただくことにしました。

イブキはヒノキ科で、心材の赤と辺材の白のコントラストが鮮やかな針葉樹です。器にすると存在感があり美しく、いくつかの種類の木で試作した中から、中垣さんにナッツボウル用として選んでもらいました。

14個の注文を受けましたが、器の形に挽く途中で細かなヒビが入るなどして、製品にならなかったものが多数あります。身近な所からもらえる木をすべて木工に生かせれば良いのですが、実際には木の種類ごとにクセがあり、すべてを生かせるわけではありません。

イブキのナッツボウル

中垣文寿さんと田中正夫さん
旋盤を挽く田中正夫さん

木工旋盤

試作を何度も繰り返し、最初の打合せから半年を経て、ようやく納品。クリで作ったカフェプレートとともに、大変喜んでいただきました。中垣さんは、いずれ試飲会のメニューの端に森林文化アカデミーや田中さんの名前も載せたいとのことでした。

田中さんにとっても、お客様と何度も打合せたり、同じ形の器を何個も量産したり、今後木工を仕事にする上で良い勉強になったと思います。森林文化アカデミーでは、このようなリアルな学びの機会を学生1人1人に提供していきたいと思っています。

久津輪 雅(木工・准教授)