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2016年11月11日(金)

「欧州製獣害防止資材」の試験施工(その2)!!

去る11月2日(水)、「岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム」の「保育の合理化ワーキンググループ」(リーダー「有限会社根尾開発 代表取締役 小澤建司氏」)が、本巣市根尾和井谷地内において、ツリーシェルター(商品名「TUBEX」)の試験施工を行いました。

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今回の試験施工箇所は、保育の合理化ワーキンググループ小澤リーダーが所有する造林地です。この造林地では、過去2回の植栽を行ってきましたが、いずれもニホンジカによる食害により枯死するなどの被害が発生しており、獣害防止用資材を施工しない限り植栽木が生育できない地域です。

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今回の試験施工地は、小澤リーダーの「現在の林業は、先人たちが戦後頑張って植えて育ててきた人工林によって支えられている。しかし、その後、伐採中心で再造林や植栽は皆無に近いことから、切り尽くしてしまったら終わり。将来にわたって国産材利用のサイクルを絶やさないこと、苗木生産技術を絶やさない意味でも、この地域で人工造林を成功させたい」との強い思いから提供いただきました。

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また、今回の試験施工にあたっては、保育の合理化ワーキンググループのメンバーのほか、県森林研究所、森林文化アカデミーの教授や学生にもお手伝いいただきながら、スギ苗木の植栽と併せて、5種類のツリーシェルター約500本を苗木に被せるように設置しました。

 

まずはじめに、木製支柱をそれぞれの試験区まで担いで運びました。(今回の現場は、道路脇の直ぐ下であったため、比較的作業はスムーズに行えました)

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次に、植栽するスギ苗木の位置を決めるため、目印として木製支柱を軽めに刺して行きます。

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目印した木製支柱の位置で、スギ苗木を植栽します。

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木製支柱が斜面上部に位置するようセットし、専用の打込み道具を使って地中の深さ50cmまで入るようしっかり打込みます。

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打込んだ木製支柱にメッシュタイプのツリーシェルターを取付けます。

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メッシュタイプは、運搬し易いよう折りたたまれているため、施工時にはこれを正方形に戻すよう成型する必要があり、この作業が一番労力を必要とすることが少し難点です。

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一方、チューブタイプの施工は、そのまま被せるだけなので、施工は簡単です。

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また、この地域の積雪量を把握するため、センサーカメラと併せて積雪深計も設置しました。

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設置後の状況です。

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試験施工の作業は、朝9時30分頃からスタートし、昼食以外は休憩なしで頑張り今回も14時30分には全ての設置を終えました。

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設置後、皆さんと記念撮影しました。今回は8名(1名は撮影者)の方に参加いただきました!

 

今後、この欧州製獣害防止用資材の効果検証を岐阜大学や県森林研究所などの協力を得て進めます。

例年1m以上の積雪があるこの地域において、冬期間耐えきれるか、来春の結果が楽しみです。