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2019年07月20日(土)

森林文化 オークヴィレッジの仕事

クリエーター科1、2年合同の森林文化の授業が始まりました。

建築、林業、木工、環境教育が持ち回りでトップランナーをお招きして、各専攻の興味の幅を広げます。

初回の木造建築は私がコーディネート。
前からお話をお聞きしたかったオークヴィレッジ木造建築研究所の上野さんをお招きできました。
木の建築賞の審査で建築家・泉幸甫さんと伺った岐阜県洞戸の家が印象的で、私が見たのは外壁がなんとヘギ板(木の繊維に沿って割った板でノコで切断するより繊維がつながっていて耐久性が高い)で、室内も家具の精度とディテールがそのまま建築になった建物です。

オークヴィレッジというと、家具や木の小物類が有名ですが、建築もすごいです。

講義内容もなかなか刺激的でした。

(今回一番前の席で進行していて、上野さんの建築スライドに見とれていて写真撮り忘れ、写真がないです。)

住宅の建築をやっていると、どうしても杉、ヒノキ中心で考えてしまいますが、その部材に本当にその樹種が適してるの???という問いかけがあり、オークヴィレッジならではの様々な広葉樹利用やサワラ、高野槙、姫子松などの針葉樹も含めて適材適所に使われ、またそれが見事に上質な空間を作っています。

高山に拠点があるということで、昔から世界的に有名な左官職人の狭土秀平さんと組んで、版築やその地域の土色を表現した左官壁を試したり、凝灰岩の大谷石の産地近い建物では大谷石の組積造と木造を組み合わせたり、「地産地生の建築(その地域の素材をその地域で生かす)」というテーマで、3時間じっくり話していただきました。

私も質問をいっぱいしたかったですが、学生からの質問優先で我慢。

広葉樹材料のストックは乾燥も含めてどうしている?
いろいろな樹種を材料特性から織り交ぜた際のデザインコントロールは?
PV設置を住まい手から要望受けた際の外観デザインをどのように考える?

などなど、ちょうど聞きたかったことをほぼ質問してくれました。ナイス学生、さすがわかってる!!

最後に大切にしている3つのこと、つまり設計、素材、技術のお話をいただきました。全く共感です。

学生のうちに、単に各種性能だけでなく、性能含めた高いレベルのデザインや一貫した考え方などに触れる機会が大切だと改めて再認識しました。

次回8/27からの森林文化は一般の方も聴講可能になります。聴講希望の方は、こちらより申し込みください。

第1回 8月27日(火)木に関わる情報と販売のプラットフォーム「シェアウッズ」代表・山崎正夫 氏
第2回 10月29日(火)栃木県林業木材産業課長・津布久 隆 氏
第3回 12月3日(火)総合地球環境学研究所・中静 透 教授

准教授 辻充孝