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2017年08月02日(水)

里山インキュベーターいびがわ2017がスタートしました!

第1回は7月22日(土)に藤井絢子さん(NPO法人菜の花プロジェクトネットワーク代表)を講師にお迎えして「地域の課題から全国に広まるソーシャルビジネスが育った理由(わけ)」と題して、垂井町で講演会とワークショップを行いました。参加者17名に加えて地元紙2社の取材も入りました。

 

 

第1部は講演会。1970年代に琵琶湖の水質保全のため「抱きしめてBiwako」で環境と福祉が連携したイベントを成功させ、1991年には日本初の環境生協を設立。合併処理浄化槽や廃油石けんプラントの普及事業を展開。1997年には「菜の花プロジェクト」をスタートさせ、廃油からBDF燃料を製造して地域のエネルギー循環を形成。さらに耕作放棄田で菜の花を育て油を絞ることで、農業振興や景観形成にも発展させました。3.11震災後はセシウム吸着のために菜の花を活用するプロジェクトにも取り組んでいます。この「菜の花プロジェクト」実践地は今では全国160カ所に広まっています。

 

 

2009年には環境生協を発展的に解消して「NPO法人碧いびわ湖」に事業を継承し、30代の若者2人に代表をバトンタッチされました。最近では、地元自治体を舞台に [フード・エネルギー・ケア(FEC)自給圏] の形成を目指す「東近江 魅知普請 曼陀羅」の活動、地域の社会的起業を育成するための「東近江三方よし基金」の立ち上げなどに力を注いでおられます。

 

休憩時間は長めのカフェタイムとして、フェアトレードコーヒーや地産地消の茶菓子を楽しみながら藤井さんを囲んで歓談しました。合わせて「里山インキュベーターいびがわ2017」の講座案内もしました。

 

第2部はワールドカフェ形式のワークショップ。3つのテーマ:藤井さんテーブル「地域課題を生業にするにはどうしたら?」、嵯峨さんテーブル「地域に入るときに必要な作法って?」、神田さんテーブル「地域の持続可能性って何だろう?」に分かれて、20分のフリートークを3ラウンド実施した後に、最初のテーブルに戻って各人が印象に残ったことを共有しました。

 

 

神田浩史さん(NPO法人泉京・垂井 副代表理事)とのトークセッションや質疑から浮き彫りになったのは、藤井さんが学生時代に水俣問題に出会ったことを原点に、滋賀県を足場に常に人間が生きる原点である自然環境の保全を軸に、単なる運動を越えて事業性を持った市民活動(ソーシャルビジネス)を推し進めて来られた一貫した姿勢でした。散会後も、藤井さんを囲んで参加者+スタッフの有志で近くの居酒屋で懇親会が続く熱気ある第1回の講座でした。

 


藤井さん、お忙しい中ありがとうございました。参加者の皆さん、第2回以降もおたのしみに!(通年参加は今からでも申し込み可能です)
http://www.forest.ac.jp/events/satoyama-inq-ibi2017/

担当教員(揖斐川町駐在)嵯峨創平