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2023年12月04日(月)

エンジニア科・林産業コースの課題研究発表会

エンジニア科2年生・林産業コースの課題研究発表会を行いました。

授業「林産学課題研究」では、受講生がそれぞれの興味に応じてテーマを編み出し、課題研究に取り組みます。
春から実験や試行錯誤を繰り返しながら取り組んできたことや、テーマについて翔楓祭で開いたワークショップと展示を含めながら、
テーマの面白さや価値ある発見を「人に広く伝える」のがこの課題研究の集大成・発表会の目的です。

今年度は金山さん・近藤さん・小林さんの受講生3名が発表を行いました。
3人の発表を観に、30名を超える参加者が集まりました。

 

一番手、金山さんの発表は『無垢板ってすごいんです』。

普段過ごす自室で感じている無垢のスギの床板の「良さ」をもとに、無垢材の床板を他の人にも知ってもらいたい・使ってほしいをテーマに、「そのために何ができるか?」に取り組んだ研究です。

傷がつきやすい特徴が導入の懸念なのでは?と考え、床に起こりやすい傷についての分析から始まり、
自室の床を材料に「傷の直し方」を実験した結果について発表しました。

翔楓祭ではそうして見つけた「傷の治し方」とともに無垢板の良さを伝えるワークショップを行っています。
ワークショップ体験者が無垢板に肯定的な意見を持つようになってくれた態度変容についても、アンケート結果をもとに報告しました。

会場からは、「自宅でやってみます!」という声も上がりました。

 

二番手、近藤さんの発表は「間伐材の地産地消で町の人に森林を知ってもらおう」です。

地形が急峻で丸太の搬出が困難なため、切り捨て間伐が余儀なくされている(間伐材が林内に残置されている)地元・七宗町の森林の現状を知り、
そんな切り捨て間伐の丸太を利用して作ったおもちゃを地域の保育園に寄贈し使ってもらうことで、子供や子育て世代はじめ地域の人々に「森林」について知ってもらおうという取り組みの報告です。

地域の森林組合に丸太の提供をお願いし町役場・保育園にヒアリングを行うなど、地域の人とつながりながら、町の森林の現状や保育園で求められるおもちゃについて考え、材料の準備と加工・設計図の作製・おもちゃの製作を自らの手で行い、保育園へ寄贈した成果について発表しました。
翔楓祭で行った作品展示や、翔楓祭の来場者や保育園の保護者の方々に対して行った森林や地域材利用に関するアンケートの結果から見えてきたことについても報告がありました。

おもちゃの設計には地域の特徴が採り入れられ、あふれる地域愛が会場の参加者にもよく伝わっていた様子です。
(おもちゃの写真が下の方にあります!!)

 

トリを飾ったのは小林さんの発表「使わないなんてもったいない!樹木の枝葉を蒸留 エッセンシャルウォーターを作る」です。

枝払いされたヒノキなどの枝葉が朽ちるまま林内に残置され、有効に活用されていない現状から、付加価値を見出せる方法をつくり出そうという研究です。
趣味のアロマにヒントを得て、葉からエッセンシャルウォーターを蒸留できる蒸留器の開発を自ら試行錯誤し、求める結果へ至った経緯を発表しています。

記念すべき第一歩、はじめて自作した蒸留器の説明です。この後改良が進められます。

失敗原因を分析し、精油を製作・販売しているメーカーへのヒアリングも行って蒸留器を改良し、最終的に満足いく出来のエッセンシャルウォーターが出来るまでに至りました。
そうして満を持して臨んだ、翔楓祭でのアロマスプレー頒布について報告しました。

翔楓祭で頒布のアロマスプレーです。ラベルも自作と明かされ、会場がどよめきました。

 

発表後の質疑応答も盛り上がり、参加者にもとても良い刺激になったようです。
「予想してない質問が来る……」とは発表会後の発表者の呟きですが、興味や経験も幅広く違う、多様性あるアカデミーの発表会の醍醐味でしょうか。

 

発表会後は研究ポスターと実物の展示に盛り上がりました。

 

 

どのポスターの前でも、発表者と参加者の間で盛んな意見交換が行われていました。

クリエーター科・木工専攻もビックリの出来。

こちらは精油の現地現物主義。

 

課題研究は半年程度と短い間ですが、ここまで成果を生み出し発表にまとめ切った発表者のみなさん、本当にお疲れさまでした。

また、発表者各位の研究に協力下さったアカデミー内外の皆様にも、この場を借りて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

教員 上田 麟太郎