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2018年01月24日(水)

林木育種・育苗2017第5回

今回のエンジニア科1年生の授業「林木育種・育苗」では,植栽した苗木の測定を行いました。雪の舞う寒い日でしたが,みんなで協力して作業したおかげで,時間内に予定していた200個体弱の測定を終えることができました。

この苗木は,2015年の秋に,岐阜県森林研究所の茂木研究員と皆伐跡地に植栽したものです。コンテナ苗由来の苗木ですが,育苗方法が異なっており,2年の育苗後に植栽したものと1.5年の育苗後に植栽したものがあります。

ヒノキ植栽苗の樹高を測定するエンジニア科1年生の日下部君。その先では中桐君が次の調査個体を探しています。写真手前にはノギスで地際直径を測定するための鷲見君が控えています

 

樹高を測定する山口君と坂井さん

今回は樹高と地際直径の測定を行いました。数名ずつのグループに分かれて,さらに測定担当と記録担当,測定個体の探索担当に分かれて調査を行いました。途中で入れ替わりつつ測定を行いました。

測定したデータを茂木研究員に解説してもらいました

測定結果を眺めてみると,2成長期で樹高が2 mを超えているものもあれば,数十センチのままの個体もいます。後者の一部は,カモシカの食害にあっているものもあるのですが,それを除いたとしても個体差がありそうです。この個体差はどのような原因により生じたのでしょうか。茂木研究員の話では,育苗期間が1.5年だった個体のほうが,2年の個体よりも成長が良いそうです。その理由は,コンテナ苗の培地に入れてある約2年保つという肥料にありそうだとのこと。1.5年のものは,半年分の肥料が効いていて,成長が良くなった可能性があるとのことでした。

苗の作り方で成長を良くすることができれば,手間のかかる下刈りの期間を短縮することができます。今後は苗を買う際に,規格サイズだけではなく,どのようにして作ったのかについても注意することが需要になってくるかもしれません。

教員:玉木