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2017年09月14日(木)

クリエーター科の林木育種2017

これまでエンジニア科には「林木育種・育苗」という授業があったのですが,クリエーター科の林業専攻には無い…ということで,今年から「林木育種」が始まりました。エンジニア科の授業は畑仕事が中心で,雨が降った時に座学を行う…というスタイルなのですが,クリエーター科では,むしろ座学が中心となります。

林木の育種(遺伝的改良)は,作物や動物の育種に比べると不利な点しか無く,とても困難な作業です。また,実際に行われているのは,育種素材をたくさん保有している国や県の研究所や大きい企業になるのですが,その理論や応用の場を知っておくことは,造林を行う上でとても重要です。

今回の授業では,まず最初に遺伝学の基礎について解説を行いました。難しい〜という声も聞こえてきましたが,メンデル遺伝から集団遺伝学,各種遺伝マーカーの特徴まで一通り解説しました。とりあえずこれらをある程度理解しておかないと,これ以降の話が通じないのです。

その上で,野外集団にはどんな遺伝的な違いが存在するのかという内容の「天然林の遺伝的変異」,野外に存在している変異をどのように抽出・利用していくのかという内容の「林木育種の基礎」,苗木づくりの方法やどういう形態の苗木があり,どんな特徴があるのかを現物を見ながら解説するという内容の「育苗の基礎」について講義を行いました。

今の育苗の現場で広く使われているコンテナ苗

今年から始まった1年生向けの授業のため,せっかく履修してくれた2年生の人は時間が合わない回もあり,苦労をかけました。「難しい〜」という声を少しでも減らすべく,次年度以降も手を加えて続けて行きたと思います。

報告:玉木(教員)