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2017年08月30日(水)

教員オススメの一冊 7:クマが人を襲うとき

クマが人を襲うとき

クマが人を襲うとき
著者:米田一彦
発行年:2017年
発行元:株式会社つり人社
おすすめしている教員:伊佐治 彰祥


最近、野生動物の行動パターンが変わってきたという話をよく耳にします。
本来、警戒心が強いはずの野生動物たちが、市街地にも姿を見せたり、人を恐れなくなったり等々。
クマについてもしかり。
昨年、秋田県で発生したクマによる連続襲撃事件は、まだ記憶に新しいと思います。
このケースでは、狭いエリアで、連続的に人が襲われ、食害も報告されています。これには複数のクマがかかわっているとのこと。もし、こんなクマが、増えているとしたら怖いことです。

本書では、これまでに国内で人がクマに襲われた数々の事例が、考察とともに多数紹介されており、襲われた時の状況や加害の仕方、逃れ方等クマの襲撃にかかわる様々な情報を得ることができます。

十数年ほど前に私の従弟もクマに襲われました。
渓流釣りの帰り道、河川敷でクマに遭遇、いったんはクマを追い払いましたが、しばらくして、再び襲われ、引っ掻きや噛みつきにより、顔や肩に重傷を負いました。クマにのしかかられる中で、無我夢中で石をつかみ反撃し、何とか引き離すことができたとのこと。襲ったのが同一のクマかどうかは、分からずじまいです。

私は、この事件以降、急にクマとの遭遇が他人ごとではなくなり、渓流釣りには、クマ鈴、蚊取り線香、クマよけスプレーを携行するようになりました。
その後、クマに遭遇したことが3回ほどありますが、今のところ襲われそうになったケースはありません。
しかし、本書を読むと、今まで大丈夫だったからといって、これからも幸運に恵まれるとは決して考えられなくなってきます。

森林・林業にかかわる以上、クマと遭遇する可能性が高いことは間違いありません。
こうした仕事に従事する者は、先入観にとらわれず、クマの生態を改めて見直し、遭遇に備える必要があると思います。
本書を参考に、様々なケースを想定し、準備・警戒を怠らず仕事に臨まれることをお勧めします。

伊佐治 彰祥
林業機械・林産
研究テーマ 簡易な木材利用技術の普及
森林獣害防除技術の普及
森林作業安全装備の普及

 

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