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2019年07月09日(火)

木工事例調査「檜創建」中津川市連携事業

中津川市連携で行われた「木工事例調査」その見学レポート⑥を学生から報告いたします。


中津川市坂下地区にある檜創建株式会社へお邪魔させていただきました。その時の様子をレポートいたします。

檜創建工場

中津川市坂下地区は長野県を県境とする東端に位置しています。木曽川の恵みを頂いた、森林資源の豊かな地区であるということもあり、木製品の製造が非常に盛んな地区であります。そんな地区の中に檜創建株式会社はあります。

檜創建株式会社の創業は1993年で主に木製の浴槽の製造を行っています。温泉旅館や一般住宅のお風呂や介護用の浴槽、さらには海外顧客への販売を行っており、多くの方に愛されております。現代表取締役の小栗幹大さんは2代目で、先代であるお父様の意思を引き継ぎつつ新しいことにも挑戦し続けている先進的な企業です。

写真②

浴槽の製造に使用される材は主に木曽檜(ヒノキ)、高野槙(コウヤマキ)、木曽椹(サワラ)を使用しており、近隣地域でとれる材を中心に製作しております。製作方法についても伝統的な工法で角形や丸形の様々な形やサイズに対応しております。そんな中でも檜創建さんの最大の特徴は伝統的な工法での製作を維持しつつ、新しい製作方法の開発です。お客様より「タガのない浴槽を作ってほしい」という話がきっかけでした。通常丸形の浴槽の側面は樽や桶のようにいくつかの縦長のパーツを組み合わせて構成されています。そのひとつひとつがバラバラにならないようにタガといわれるものでしっかりと固定する構造になっています。いわゆる「タガがはずれる」という言葉の語源となったものです。それをなくすため試行錯誤を繰り返し、試作に試作を重ねた後、ついにタガのない浴槽にたどり着きました。それは木材とは違う素材をうまく使うことによって実現したものです。言わば伝統的なものと現代のものとの融合であると感じました。その技術のおかげで様々な形の浴槽の製作が可能となったのです。それが檜創建株式会社の展開する「O-Bath」シリーズです。他社にはマネのできない技術と独創的なデザインで支持を得ているものです。その他にもアーティストとコラボした「KIYOME」を発表し、卵型の浴槽で現在の浴槽の概念を取り払ったような斬新なもので、同業者だけではなく幅広いジャンルの方々にも強烈な印象を与えました。

写真3

写真4

そんな会社の社長様にこの会社での一番の強みは何だと思いますかと伺ったところ「お客様に選んでもらうためにはどうしたらいいのかを考える」ということでした。当たり前のように聞こえますが、手作りにこだわり、素材や技術に対してもこの意識が徹底されているように感じました。そのなかでも特に印象的だったのはお客様の意識の改革です。「浴槽を住宅設備ではなく、インテリアに。そういう意識で浴槽を見てほしい」と社長は語られました。お客様に選んでもらうために商品にこだわることは当然のことかと感じていた私ですが、お客様の意識にまで目を向けるという点について驚きを隠せませんでした。その意識の改革が進められることで結果的には檜創建株式会社の商品を選んでもらえる理由になっていると感じました。

写真⑤

最後に社長は「様々な活動を通して、いずれはこの地域を木と入浴をテーマとした、海外の方を招き入れられるようなハブの役割を担っていける拠点にすることが夢」と話されました。地域を愛し、浴槽を愛している檜創建株式会社の社長はじめ従業員の方々であればそんな日も遠くないかもしれません。

取材にご協力いただいた社長様はじめ従業員の方々、中津川市の林政部の関係者様に深くお礼を申し上げ、木工事例調査の報告とさせていただきます。

文責:森と木のクリエーター科 木工専攻2年
清水貴康


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