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2020年04月15日(水)

CLT面材による水平構面(morinos建築秘話39)

広い屋根面にCLT面材を利用して、強い水平構面を構成しています。
このCLT面材による水平構面についてお話しします。

CLTパネルを軸組に水平構面用の面材として利用するために構造実験を実施しています。
大空間における水平構面での利用を想定して4mの間隔をこのCLTパネルを利用することで小梁無しで実現可能です。このAパネによるCLTパネルは岐阜県産材で製作されています。

このAパネによるCLT面材水平構面は、2015年(平成27年)に森林文化アカデミー・木材開放試験室で実大水平構面試験を実施した後、指定性能評価機関ハウスプラスにて技術評定を取得しています。
一般的な住宅などでも水平構面として利用されている材料です。

また、この建物ではCLTパネルを軸組に耐力壁用の面材として利用しておりませんが、AパネによるCLT面材耐力壁は、2015年(平成27年)に森林文化アカデミーで実大耐力壁試験を実施した後、指定性能評価機関ハウスプラスにて大臣認定を取得しています。
壁倍率を取得している耐力壁ですので、一般的な住宅などでも耐力壁として利用されている材料です。

◆CLTパネルについて
CLT(Cross Laminated Timber)は、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料のことです。
厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具など幅広く使用されている材料です。
CLTは1995年頃からオーストリアを中心に発展し、イギリスやスイス、イタリアなどヨーロッパ各国でも様々な建築物に利用されています。
さらに、カナダやアメリカ、オーストラリアでもCLTを使った高層建築が建てられています。日本では2013年12月に製造規格となるJAS(日本農林規格)が制定されました。また、2016年4月にCLT関連の建築基準法告示が公布・施行され、CLTの一般利用が始まっています。

教授  小原 勝彦