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2018年03月04日(日)

建築家 隈研吾氏と一緒にデザインワークショップ

月曜日から始まった木造建築デザインワークショップ。

最終日の今日は、建築家 隈研吾氏をお招きして講評会+デザインワークショップです。もちろん、本学の涌井学長も参加されて、開会のあいさつです。

発表する学生5名は隈さんの後ろで待機して少し緊張気味?一週間の成果を全てぶつける覚悟で臨みます。

まずはチームAの3名の学生案「モリノハウス」です。

隣接する森の情報センターとの関係から、樹状平面トラス構法で大スパンを構成し、その内部にセンターの機能を盛り込みました。
オープンスペースから図書コーナー、バックヤードまで、しっかりと計画されていて完成度の高い計画案とのコメントが多く出ました。

質疑の場面では、床の素材や段差の処理、バックヤードの開放性と情報センターとの連続性、樹状トラスのスケール感など、具体的な指摘も出てきます。これも、ある程度具体的に計画を練ってきたからこそ。

次のBチームは、2名の学生案「つながる まざる」です。

二方向からのメイン動線を活かすように、トンネル状にラーメン構法で大屋根をL型の平面にかけています。丸まった部分は縁側のように人を迎え入れるように、低く抑えられてウェルカム感が出ています。
手書きの柔らかい平面図と、招き入れるような計画が優しい感じで、設計者の雰囲気が出ていました。

質疑の場面では、背後の情報センターの大きなシルエットとこの建物の関係性の指摘があり、この敷地でなくても映える。この敷地ならではの形状というものがあるのではとの鋭い指摘も。

模型を使って隈さんに説明する学生にも一週間やってきた自信があふれてました。

さて、後半は、これら2つの計画案をベースに、1案にまとめていきます。

それぞれの良さも活かしつつ第三の案をみんなで練っていきます。

きりだしはやはり隈さん。バックヤードの扱いを整理しつつ、個性的な樹状立体トラスの情報センターとの関係性を整理していきます。

その後も学長を含む参加者から、続々と意見が出てきます。

キッチンを中心に事務スペースを構成するとか、バイオマス暖房をこう置いてとか、収納は見せる収納で金網で通気と視線も確保とか、、、学生の計画案を下地にしながら、全体を調和させていきます。

さすがにスケール感が鋭くて、コンパクトなこのセンターをシンプルながらも力強い見せ方になっていきます。

構造の考え方も、情報センターの樹状立体トラスとは違った特徴ある丸太構造で、外観もそのまま活きてくる内容に・・・

学生の図面に隈さんがスケッチしていく様はさすがの一言。

このWSの様子は、ナバさんのワクワク感が高まってくるという表現に集約されています。

 

予定されていた90分があっという間に過ぎていきましたが、予想以上の成果につながりました。

最後は、再度敷地に行って、懸案の情報センターとの取り合いや開く方向などを確認していきました。

一週間という短期間ながら、先輩後輩がチームになって一つの計画をまとめ上げる作業、自分の計画案に対する講評、すべてが、これから建築関係で働いていく糧となり宝物になったと思います。

この森林総合教育センターは次年度から本格的な設計期間に入り、学生も絡んでいく予定です。今回のデザインWSがどのような形で実現するか楽しみにしてください。

准教授 辻 充孝