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2021年09月19日(日)

床のおはなし~足で感じるフローリング~(みどりのアトリエ建築日誌3)

「みどりのアトリエ」のフローリングが入口側はヒノキ、奥側にはスギのフローリングの2種類を使用しています。

 

このフローリングの仕上げの違いを作ったのには2つの理由があります。

1つ目は、床の違いによるゾーニング分けです。手前のヒノキのフローリングには大きなソファが設置され、大きな開口の前でリラックスできるエリアとしています。

また、奥の杉のフローリングでは、木工専攻の人たちに制作してもらったテーブルがあり、何人かで対話できるエリアとなっています。

同じ空間のなかに、リラックスできる場所と話し合いができる場所があるので、緩くゾーニング分けしたいと思い床の仕上げを異なるものにしました。

 

2つ目に、足で踏んだ時の違いを楽しんでもらえるようにしています。スギやヒノキはフローリングの材としても一般的に利用されます。その違いを自分の足で感じることができるようにしています。

 

 

この「みどりのアトリエ」は基本的にはアカデミー生に利用してもらいたいと考えており、ヒノキとスギの見た目に違いだけではなく、実際に足で触ってもらう体験をすることで気についてより知識を得てほしいと思っています。

 

また、ヒノキとスギでは貼り方が異なっています。

ヒノキは定尺貼り。同じ寸法の材を一定の幅で交互にずらしながら貼っていく方法です。この貼り方は、規則性があるので整然としたシンプルな印象に与えます。

スギは韓国貼り。縦に並んだフローリングの間に、一定の間隔で横向きの板を張っていく方法です。朝鮮半島の古い民家や寺院などに見られる貼りかたの1つです。短い素材を規則正しく配列し、長尺材で挟み込みとで、落ち着いた空間を演出します。

アカデミーの先輩である、松岡さんが課題研究として実大構造試験に使用した材をリユース材として使っています。

松岡さんの課題研究である「木造住宅の設計手法に関する研究 -住まいのチェックリストと無垢材による構法の提案-」はこちら

では、ここまで「みどりのアトリエ」フローリングは違いますよとお話をしましたが、ヒノキ、スギ、他の床材ではどのような特徴があるのかを説明していきたいと思います。

 

ヒノキは材として色味が白っぽく高級感のある見た目をしています。フローリングとして利用すると部屋が明るい印象になります。また、時間が経つごとに色が薄く明るくなるという変化を楽しむことができます。

 

次にスギは材として色味が辺材は白く、心材は赤みがかって濃い色になっています。

スギはヒノキより、柔らかく足触りが暖かいとされています。木のぬくもりを感じることができるため、スギのフローリングが好きというかたもいます。柔らかいので、傷つきやすいという点もありますが、それもその建物が利用されていったという歴史でもあるといえるのかなと思っています。

 

ヒノキや杉以外にも広葉樹のフローリングとしてアカデミーの床に使われているナラ材のフローリングがあります。

ナラ材は明るい黄色味で木目がはっきりしており、ナチュラルな色柄とされています。アカデミーでは、土足での利用が多いためにナラのフローリングは黒く塗装されています。

広葉樹なので、ヒノキやスギとは異なり重く硬い耐久力のある材のため、フローリング材として選ばれやすいです。

また、ナラはウィスキーやワインの樽としても利用されていたので、耐水性も高く床にこぼしてしまってもシミになりにくいです。

しかし、熱伝導率が高いために冷たく感じてしまいます。

 

この材による、温かさの違いは人の思い込みとかではなく、実際に体感温度は異なっています。材が体に触れたときにどのくらいの熱が奪われていくかが関係しています。

アカデミーの辻先生が実際に異なる材の体感温度について書いていますので、合わせて読んでみてください

・「スギのフローリングは暖かい?

ヒノキやスギは柔らかく傷つきやすいが温かみを感じる、またナラ等の広葉樹は硬く重厚感があり、傷つきにくいが冷たく感じてしまう、材の特性を知った上で建築を見てみると「この床材好きだな」「良いなぁ」とものが明確に分かって楽しみが増えると思います。

 

 

是非、自分の家や、近くの建築物ではどんな材が利用されているのか調べてみても発見があると思います。

 

木造建築専攻 2年生 杉山 優真


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