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2021年09月12日(日)

床のおはなし~どこからやってきた!?フローリング~(みどりのアトリエ建築日誌2)

「みどりのアトリエ」は、2種類の木材を利用したフローリングです。ではそのフローリングはどうやって作られたのでしょう。

 

なんと、ヒノキのフローリングは製材から加工まで全てアカデミーで行いました。

 

①製材、乾燥、木取り

 学校の演習林から下してきた丸太を板状に挽いていきます。建築専攻の吉野先生には大お世話になりました。

 次に、挽いた材は丁寧に桟積みして人工乾燥機に5日間ほどかけます。桟積みを丁寧に行うことによって材の狂いを防止することができます。

乾燥した材は次に実寸の材まで削ります。このことを木取りと言います。今回は幅120㎜厚さ30㎜長さ4mの材を木取りしました。

 アカデミーには春から高性能な4面鉋が導入され、木取りの作業効率が一気に上がりました。

②フローリング 実加工

 木取りまでの作業ができたら、次に実加工をアカデミーの木工房で行います。実加工とは、

 木の両端に凹凸の加工を行い、組み合わせるよう加工することです。

 

 深さと幅を決めて、昇降盤をセットします。このセットは木工専攻の先生方に完璧な状態にセットしてもらいました。

木工専攻の先生方、総動員でセットしていただきました。

 セットしてたら、あとは削っていくだけです。と言ってもこれが中々大変で、2m近くある材を昇降盤に掛けるわけですから、掛ける人と受けとる人の二人掛りの作業です。材が浮かないように、曲がらないように材をかけていきました。

3日掛りでようやく材が完成しました。協力していただいたかた、本当にありがとうございました。

④フローリングを貼る

 みどりのアトリエでは、フローリングを貼り上足で利用してもらう設計になっています。

 床に根太を置き、その間にウッドファイバーを敷き詰めフローリングを貼っていきます。端から丁寧に貼っていきます。

 根太ボンドを引いて、設置して端をビス止めしてフロア釘を打つ、それの繰り返しです。文章に書くと簡単そうに見えるのですが、一筋縄にはいきません。

 材が湿気を吸って曲がって、片方の端を入れいるともう片方の端が浮いてしまうみたいなことあったりしました。

 なかなか、苦戦はしましたがいろんな人に手伝ってくれ無事完成することができました。

床下の断熱については、既存の床下にウールブレス100㎜が入っており、それに加え根太の間に40㎜のウッドファイバー(イケダコーポレーション シュタイコを手で剥いだもの)を敷き詰めました。上足の利用を想定しているため、断熱の強化を施しました。

ウッドファイバーとは、自然系の断熱材の1つです。原料は循環型(成長資源・リサイクル)の間伐材や古材などの木材です。間伐材や古材のチップを高温の水蒸気で繊維状にほぐし、繊維をマット状や板状に自己接着性で圧縮成形したものです。

みどりのアトリエのフローリングは2種類の材が使われており、入口から近い方がヒノキのフローリング、奥がスギのフローリングになります。ヒノキのフローリングは自分達で加工したもので、奥のフローリングは卒業生が試験で使ったスギ材をリユースして使っています。

 

 みどりのアトリエのフローリングは製材から加工、設置まで全てアカデミーでまかなった100%アカデミー材になります。皆さんも、みどりのアトリエに来た際は足で材を踏んで味わってほしいと思っています。

20期生 杉山優真