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2017年08月15日(火)

ここはシカ牧場?! 市営水沢上牧場ライトセンサス調査に参加(クリエーター科プロジェクト授業)

8月10日(木)、郡上市明宝の市営水沢上牧場(明宝スキー場)において、郡上市の委託を受けた森林動物共生サポートセンターが実施するニホンジカのライトセンサス調査に、学生とともに参加しました。

水沢上牧場は、明宝スキー場のゲレンデを活用した牧場です。本来なら、100頭の牛を受け入れできるキャパシティーがあるそうですが、年々シカが増加し、種をまき、肥料までやって育てた牧草を横取りして食べてしまうため、現在では、受け入れ頭数を50頭に制限せざるを得ない状況になっているそうです。

そのような状況から、市としても対策を進めており、今回の調査もその一環で行われているものです。調査は、今後も月1ペースで積雪期まで続けられることになっており、アカデミー学生も調査スタッフとして引き続き参加させていただく予定です。

市営水沢上牧場(明宝スキー場) 中央右下の黒い点は放牧された牛

 

 

有刺鉄線に囲われた牧場に侵入し、牧草を採食するシカの群れ。(中央付近に15頭のシカが確認できる。)

 

単独で採食するシカ。この個体は車が10mほどに接近しても逃げることなく採食を続けた。

 

ご存知の方も多いと思いますが、ライトセンサスは日没後、自動車を低速で走らせながら、サーチライトを照射し、動物の頭数をカウントする調査法です。動物の目がライトを反射することから、100m以上離れた個体も確認することができます。同路線を定期的に調査することで、そのエリアの対象動物の増減の傾向を把握することができます。

当日は、森林研究所の岡本専門研究員もアドバイザーとして参加し、調査を支援していただきました。暗視機能があるビデオカメラや、双眼鏡を併用することで、調査の精度をアップすることもできるとのことです。

調査前のミーティング風景 郡上市、郡上農林事務所の職員さんも参加されました。(写真中央 森林動物共生サポートセンター 太田センター長)

サーチライトを手に、調査手法を説明する太田所長

 

様々な調査機材を説明する岐阜県森林研究所 岡本専門研究員

 

サーチライトに照らし出されるシカの群れ。

同上

同上 目が良く光り、遠くのシカも確認できる。

イノシシ(中央右の黒い影)と一緒に採食する群れもある。

今回の調査では、スタートして間もなくから、30頭を超えるような大きな群れが次々と確認されました。通算のカウント数は、200頭をオーバーする頭数になるはずです。

(後日、集計結果を伺ったところでは、336頭を超えていたとのことでした。)

話には聞いていましたが、凄まじい状況です。完全に主役であるはずの牛の数を圧倒していますね。

今回は、日暮れから3時間程度の調査でしたが、明るいうちから、平時のシカやイノシシをじっくり観察できる大変貴重な機会となりました。

次回も明るいうちからシカやイノシシをじっくり観察したいと思います。

以上報告は、担当の伊佐治でした。