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2017年12月03日(日)

こうぞマニアックス〜世界遺産の原材料をもっとよく知る〜

こうぞマニアックス集合写真11/26(土)に美濃市のコウゾ畑で、「こうぞマニアックス〜世界遺産の原材料をもっとよく知る」が開かれました。この講座は美濃市のこうぞ生産組合、岐阜県森林研究所、森林文化アカデミーが共同開催しているもので、もう今年で3年目になります。

ちょうど3年前のこの日、岐阜県の本美濃紙、埼玉県の細川紙、島根県の石州半紙が「日本の手漉き和紙技術」としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。これらの紙は、いずれも原料にコウゾのみを使っているのが特徴です。

しかしコウゾの生産者は高齢化し、これからも質の高い原料が供給され続けるか余談を許さない状況です。そこで美濃市では若手の手漉き和紙職人たちが自らこうぞ生産組合に加入し、原料の生産にも携わり始めました。また、コウゾの品質を高めるために県の森林研究所が科学的な研究を行っています。そして一般の人にこうした現状を知ってもらい、ボランティアとして生産を支えていただくために、講座を開催しているのです。

今回は「長良川おんぱく」のプログラムの1つとして実施されたので、愛知県など近隣からもたくさんの人にご参加いただきました。

 

はじめは森林研究所の渡邉仁志研究員と茂木靖和研究員から「コウゾから楮へ」という講義。「マニアックス」というタイトルだけに、植物としてのコウゾについての専門的な話を、分かりやすく解説していきます。

コウゾは1年で3メートルも伸び、あらゆる樹木の中でもっとも生長が早いものの1つであること、実はコウゾという樹種は存在せず、カジノキとヒメコウゾという種をかけ合わせた雑種であることなど、意外と知らないことばかりです。

渡邉仁志研究員の講義

渡邉仁志研究員とコウゾ
その後はコウゾ畑に出て、収穫です。剪定バサミやノコギリを使い、根元から刈り取っていきます。講義でも説明がありましたが、収穫した幹のうち、和紙に使うのは樹皮の内側の白い皮だけ。重量比では、和紙になるのは収穫したコウゾ全体の4%にすぎません。和紙づくりが極めて手間のかかる作業であることが分かります。

コウゾを収穫する参加者 コウゾの収穫

収穫したコウゾを見る参加者
収穫したコウゾ

今回は、地元の方がお昼に鮎雑炊と猪肉の肉じゃがを振る舞ってくれました。これがとても美味しかったのです!

昼食を振る舞う地元のボランティアの方

鮎雑炊と猪肉の肉じゃが

昼食に舌鼓をうつ参加者

午後は、手漉き和紙職人の山田和香奈さん、千田崇統さん、井上さとみさんが「楮から和紙へ」と題して、和紙づくりの工程を説明してくれました。原料だけでなく、和紙づくりの道具を作る職人も減って危機に瀕していることや、昔の美濃の和紙漉き風景の写真を見ながら、この地域がいかに製紙業によって栄えてきたかの説明がありました。

和紙の説明をする職人

道具の説明をする職人

昔の美濃和紙漉きを説明する職人

刈り取ったコウゾ

なかなか厳しい現状もありますが、参加者の方からは、コウゾ生産を学ぶことで和紙づくりにも関心を持てた、またボランティアに参加したい、など心強いご意見をたくさんいただきました。

美濃市のこうぞ生産組合では、初夏の脇芽欠きや冬の収穫などを支える楮ボランティアを募集しています。豊かな森林資源を使って作られる伝統工芸は、かつては産業として成り立ちましたが、いまは多くの人たちがサポートすることが欠かせません。たくさんの方にご参加いただけると嬉しいです。

楮ボランティアのお問合せ:

美濃市こうぞ生産組合穴洞支部 (問合せ先:美濃市役所産業課 0575−33−1122内線265)

 

報告:久津輪 雅


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