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2017年06月08日(木)

オープンカレッジ「虫の家をつくろう!」始まりました

6/3(土)にオープンカレッジ連続講座「虫の家をつくろう」の第1回目の講座を開催しました。関、美濃を中心に自然環境、野生生物の保全活動に関わっている岐阜・美濃生態系研究会さんとの連携講座です。この講座は、昆虫のすみか(虫の家)を自分たちで作り、それを利用する昆虫達の観察を通して、森林などの自然環境や人と野生生物との関わりについて新たな視点を得ることを目的としています。

今年は親子参加の方が多く、子供が半分くらい。最初に昆虫のクイズ等で話を進めます。食品に利用されている昆虫や、かつては茅葺き屋根の中や家屋の周辺に多くの虫が住んでいたことなど人と昆虫の関わりについて話をしました。ドイツの「虫の家」についても写真を交えて紹介しました。

ドイツの「虫の家」についてのお話

 

岐阜・美濃生態系研究会の方に面白いものを持ってきていただきました。ウワミズザクラの鉢植えですが、なんだか変な葉っぱ。。。あちこち丸く切り取られています。これはハキリバチの仲間が切り取ったもので、彼らはそれを細い竹筒などの中に持ち運んで巣材とするのです。そういえば南米にハキリアリというのがいてテレビなどで紹介されたりしますが、日本にも似たようなことをするのがいるわけですね。

ハキリバチの切り取った跡に興味津々

その後、「虫の家」の材料としてアカデミー構内に生えているネザサを採取しました。道沿いに多く生えているのですが、ちょうど直前に刈り払われていたようで、刈ったものがそのままになっていたので、適当な太さのものを拾い集めました。

持ち運びやすいようにいらないところを切って。。。

作業中にも色々な虫を子供達が見つけます。野生の勘が鋭いのか、こういったものは大人よりも子供の方が見つけるのが得意なようです。小さなものは持ち帰って顕微鏡でも観察しました。

何を見つけたのかな?

ジョウカイボンですね

オオカマキリの卵を見つけました

顕微鏡で。何が見えたかな?

昼からはネザサを使って「虫の家」づくり。ここで入るのを期待しているのは竹等の穴の空いた素材を住処とする管住性のハチ類。アオムシやクモを捕まえて麻酔をかけ幼虫の餌とする狩り蜂の仲間や、花の花粉を集めて幼虫を育てるハキリバチ類です。ササを節ごとに切り、それらを束ねたり、すだれ状につなぎ合わせたりして作りました。

長さを揃えて束ねます。

自分が作ったものが分かるように名札をつけて完成です。折り紙で切り絵を作ったりして自分なりの名札にしました。

自分の作った虫の家を小屋に設置。どんな虫が入ってくれるかな。次回の講座の際には住人(住虫?)に会えることでしょう。

小屋の前で記念撮影

少し時間が余ったので、少しだけ周りの自然観察をして終了。小さいお子さんも含め皆さん、怪我もなく作業できました。ありがとうございました。

這いつくばって(!)「ありじごく」を観察

次回は7月です。今回設置した虫の家の観察に加え、夜の森の昆虫観察、灯火採集、チョウの鱗粉転写、昆虫切り絵作りなどを通して、身近な森林とそこに住む昆虫たちをより深く知る内容になっています。また7月の回は単独講座としても若干名の参加募集を行う予定です。詳細は後日、イベントページにアップしますので、興味を持たれた方はお申し込みください。

(津田 格)