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2018年11月07日(水)

狩猟を通して学ぶ林業と獣害対策・山村資源としての獣肉(ジビエ)

11月3日〜4日にエンジニア科2年科目「森林獣害」「山村資源使用演習」の合同授業で、狩猟(ワナ猟)の実習を行いました。フィールドは伊佐治先生の地元であり山主さんや猟友会とも関係が深い美濃加茂市内の森でした。

初日:
導入講義:伊佐治先生から狩猟の歴史、獣害の現状、狩猟の対象と方法、狩猟免許や銃を扱う法律についてスライドで学習。


続いて今回使用する「くくり罠」の実物を使って仕組み、危険性と扱い方の諸注意を聞いて、設置方法を学内で練習しました。

午後からは、美濃加茂市三和町の現場に移動。伊佐治先生が地元で携わる有害鳥獣駆除活動の手伝いをする形で「現地実習」を行いました。フィールドは県下有数の原木シイタケ生産者である横田さん所有山林です。ここは、シイタケ原木用にクヌギが植えられた県下でも珍しい林です。

 

ここで学生達は2人1組になって、シカ・イノシシの痕跡(ケモノ道等)を観察し、罠の設置場所を考えたり、罠を埋める穴掘り作業を手伝い、最終的には伊佐治先生の手で8つのくくり罠と1つのハコ罠が設置されました。

 

2日目:
早朝から現場へ入り、罠の捕獲状況を確認しました。昨日設置した罠を順に見て回りましたが、残念ながら今回は獣がかかった罠はありませんでした。中には、夜の間に獣が誘因用に用に撒いたコヌカに近づいた痕跡や、罠が見破られ掘り返されているものもありました。惜しかった!

 

午後からは、獲物の捕獲が無く、アカデミー「里山獣肉学舎」初の解体処理実習とはなりませんでしたが学舎設備を活用し罠の掃除し、その後は、獲物が捕獲された場合に必要となる獣の保定技術や錯誤捕獲獣の放獣技術、解体技術のDVDの視聴をしました。

 

 

保定技術、錯誤捕獲獣の放獣技術のDVDは、アカデミーのために岐阜森林管理署の松嶋総括地域林政調整官が作成くださったもので、罠に掛かって暴れるイノシシを様々な器具を使って保定する様子や、錯誤捕獲されたカモシカの放獣作業などを詳しく知ることができました。又、解体技術のDVDは、獣が屠殺され解体される工程を解説したもので、学生にとっては重い内容でしたが、獣害対策、獣肉利用のためには、捕まえるだけでなく、こうした一連の作業が不可欠であることを理解してくれたと思います。

学生たちが、授業の学を今後の活動に活かしてくれることを願います。

 

担当:伊佐治彰祥、嵯峨創平、新津裕