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2023年10月04日(水)

岐阜県の白鳥林木育種事業地に行ってきました

今回のエンジニア科1年生の実習「林木育種・育苗」では,岐阜県の白鳥林木育種事業地に行ってきました。ちなみに地名「白鳥」は「しらとり」ではなく「しろとり」と読みます。

名桜樹の接木苗

ここは県営の採種園で,主にヒノキやスギの種子を生産しています。その他に,県内の天然記念物に指定されているエドヒガンの名桜樹である薄墨桜や臥龍桜,荘川桜の接木苗による増殖や,県の試験場の補助でコンテナ苗試験を行っています。

伊佐治先生による施設の説明

ここの管理担当の伊佐治先生に施設を案内してもらいました。伊佐治先生は元アカデミーの教授で,現morinosスタッフでもあります。また,伊佐治先生にはエンジニア科1年生の実習「里山資源の様々な利用」でも炭焼でお世話になっています。

少花粉スギのミニチュア採種園

少花粉スギのミニチュア採種園です。

スギ特定母樹のミニチュア採種園

こちらは,スギ特定母樹のミニチュア採種園です。特定母樹は,主に第2世代精英樹であるエリートツリーから構成されます。エリートツリーは初期成長が早く,材質や花粉の少なさも平均以上の優れた育種系統です。まだ断幹が終わったところですが,数年以内に実用化できるとのことです。

ヒノキの採種木,樹高4m程度に仕立てられている

見学の後で,ヒノキの採種木から球果を採取させてもらいました。ヒノキの採種木は4 mほどの樹高に仕立てられており,高枝切ばさみをつかって球果を採取します。ヒノキはスギのようにミニチュア採種園にするのは難しいそうです。

ヒノキの枝から球果を外している様子

枝から球果を外している様子です。葉ができるだけ入ってしまわないように丁寧に作業します。今回採取させてもらった球果は,一ヶ月間かけて乾燥させて,来月の授業で種子の取り外しと千粒重の測定,カウントを行います。今回もたくさんいただいたので,来月の授業が楽しみですね。また報告します。

准教授:玉木一郎