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2025年06月02日(月)

チェーンソーを知る:Crチェーンソー・刈払機操作入門①

林業の学びの基礎にもなる「チェーンソーの特別教育」をクリエーター科の学生向けに実施いたしました。3日間に渡って行われた様子を学生が活動報告として記録してくれています

↓↓以下学生

5月初旬の3日間、チェーンソー操作入門(伐木等の業務に係る特別教育)の授業が行われ、クリエーター科1・2年生16人が受講しました。※共通科目の為、全専攻の学生が対象です。

チェーンソーは林業現場ではなくてはならない機械ですが、鋭利な刃物が高速で回転する特性上、安全対策を怠ったり誤った使い方をしたりすれば、死亡事故にも繋がる怖さがあります。自分や一緒に仕事をする仲間、第三者を危険にさらしたり、怪我をさせたりしないために、正しい使い方と安全対策を学びました。

 

1日目は座学

座学では、チェーンソーを使う際の正しい服装とヘルメットやイヤーマフなど保護具の着用を知りました。チェーンソーは右手でアクセルを握る性質上、作業者の左足に怪我が集中することが統計で出ていること、防護ズボンは、チェーンソーの刃が当たった際に、繊維が刃に絡んで、動力部分に繊維が巻き付くという仕組みも理解し、防護ズボンの役割も理解できました。

ユタ先生からは第三者の安全確保の徹底も強調されました。作業の際、現場手前に標識を設置して、周囲に危険を知らせて第三者を立ち入らせない手だてが必要だということを忘れないようにしたいです。

また、チェーンソーのハンドル、ブレーキ、ソーチェン、ガイドバー・防振ゴムなどの各部の場所、チェーンキャッチャー、後ハンドガードなどの安全装置などを実際に触って確認しました。実際に使う場面となる立木の伐倒の解説もあり、木を倒したい方向に倒すために作る「受け口」の高さ、角度、立木を伐倒する時は樹高の2倍相当の距離を半径とする円に他の人を入れないことなども学びました。木が想定外の方向に倒れて別の木に引っかかり、地面に落ちない「かかり木」と呼ばれる木の処理中に起きた災害事例も示され、現場でやってはいけない行為も具体的に知りました。

※教員の新津も出演するDVDで現場のイメージと座学の復習

また、チェーンソーや刈り払い機の使用は、手から振動を受けることで手指や腕のしびれ、関節の痛み、握力の低下などが起きる「振動障害」のリスクがあることも知りました。寒い時期に起きやすいため、体を冷やさないことや、決められた作業時間を守ることが大切だと分かりました。

メンテナンスでは、エアクリーナーカバー、ガイドバー、ソーチェン、クラッチカバーなどを外して構造を見ながら掃除をしました。初めて聞く名称も多く、理解するのに苦労しましたが、構造を知るにつれ、どの作業の際に何に気をつけるべきかが明確になるように感じました。

 

実技では、保護具などを適切に身につけた上で丸太を切り、機械を体の近くで使うことやチェーンソーの重みをうまく使うことを意識して、狙った大きさに切れるよう練習しました。

最初はエンジン始動も一苦労です

最終日の実習では、丸太を上からと下からの双方向から切るほか、ガイドバーを丸太の側面に突っ込んで切る「突っ込み切り」にも取り組み、座学で突っ込み切りは、キックバックを起こしやすいこと、キックバックはガイドバーの前部の上側半分で起きると学んだため、ガイドバーの前部下半分を先行させることを意識しながら切りました。

斜めに刃を入れるトレーニング

刃の入れ方を複数組み合わせた課題の最中

 3日間にわたって実際の危険と正しい対策を学び、今後チェーンソーを扱う際の基本的な心構えができたように思います。

 

以上、クリエーター科林業専攻 五十嵐さんの報告でした!

 

☆3日間という短い期間でボリュームたっぷりの知識と実習が詰め込まれていますが、どれも楽しく安全に取り扱う為に必要な事ばかりです。この3日間をキッカケに正しく・安全に・楽しく木材と向き合っていただければ幸いです。

 

報告:新津(YUTA