伐倒競技で「紡木人」に入魂!竣工式で完成祝う(自力建設2025)
自力建設「紡木人」(tsumugito)が完成し、2日に竣工式を執り行いました。今年度の課題は「屋根付きチェーンソー練習場」で、式典ではアカデミーの「伐木競技部」の4人による伐倒競技を開催。建物の使用が実際に始まり、「紡木人」は無事に“入魂”されました。施主の杉本和也准教授は「大満足な出来栄え。ここでたくさん練習してその姿が馴染んでいくように頑張っていきたい」と抱負を述べました。
「紡木人」は、建物の設計当初からエンジニア科2年生の「伐木競技部」のメンバーに練習場の使用方法や使用者同士の安全な距離の間隔を聞き取るなど協力してもらうことが多かったため「2年生が卒業する前に建物を完成させたい」との思いから、卒業式前日のこの日に竣工式を開催しました。
竣工式では、棟梁の奥村千里さんが編集してくれた「紡木人」の紹介動画を鑑賞した後、伐倒競技を開催。エンジニア科2年の杉村光香さん、安江海人さん、同科1年の林宏幸さん、山田陽介さんの4人がチェーンソーを握って本番同様に15m先の的に狙いを定めて丸太に受け口を作ります。なんと、杉村さんは誤差なく的に向けて受け口を作っていました!
その後のあいさつで寺田秀樹副学長は「動画を見て非常に多くの方が関わって建物が完成したということを改めて知らせていただいた。愛知建築士会のコンクール『耕す建築』の優秀賞受賞を涌井学長も喜んでいました。これから暑い日も、雨の日もしっかり練習ができる環境が整いました。各種大会の表彰台のトップを獲得して、世界大会にも出場できる、そういう姿を表していただくのが感謝の気持ちを表すことになります。来年度の三林大の三連覇は必須になります」とエンジニア科の学生にエールを送りました。
杉本准教授は「昨年度の卒業生が演習林で伐採した木がここで使われています。林業で木を切っても、製材して建物で使ってくれる人がいないと林業は役に立ちません。いろいろな繋がりがあっての林業だと思います。演習林があるのは(アカデミーの前身の)林業短期大学校の人たちが木を植えて育ててきたから。そういう繋がりのなかで仕事をしているという思いを引き継ぎながらここで学生たちが練習して、安全に木を切って、山で仕事ができる人を育てられるような施設にしていきたい」とあいさつ。
奥村さんは「私が(ハウスメーカーで)働いていた時には自分が住宅をつくるのに使う木材を誰が切っているかさっぱり分からなかったけれど、今回は切った人たちが誰かというのを感じながら建築をつくれたことはありがたいと思っています」と話し、演習林から切り出された木の中でも特に素性がいい木材を使わせてもらっていることに感謝し、構造材に使用された木材の歩留まり率についても紹介。「柱や方杖のどの面を正面に向けるか、どの材を柱に使うのかを1本1本決めてつくっています。この建築の全部の場所で一緒に関わってくれた人たちが思い出され、この土地の各所で人の顔が浮かぶ建築をみんなでつくることができてうれしい。『紡木人』は名前に『人』を入れていて、人が入って完成する建築だと思っているのでたくさん使ってもらって建築も私たちも土地全体で育っていけるように願っています」と締めくくりました。
他の木造建築専攻のメンバーも、入学して初めて使ったCADソフトに悪戦苦闘した経験や人力で掘った暗渠(あんきょ)排水工事の苦労、大工合宿での思い出などを話しました。
竣工式には、東濃ひのき製品流通協同組合の坂井梨奈さんと大工の鈴村晃宏さん、有限会社後藤板金の3人の職人さんにもご参加いただき、労いの言葉をいただきました。ご参加いただき、ありがとうございました。
「紡木人」の建物はこれで完成ですが、春からは太陽光の輻射熱を抑えるための芝の移植作業にも取り掛かる予定です。土地全体を含めた「心地よい空間づくり」を目指していきます!
木造建築専攻1年 坂巻陽平





