活動報告
最近の活動
月別アーカイブ
2025年11月26日(水)

ベルリン「自然&森のようちえん国際会議」に行ってきました! 〜パート2〜

2025年11月15日〜17日の3日間、ドイツのベルリンで開催された
「自然&森のようちえん国際会議(Internationaler Kongress der Natur-und
Wald Kindergarten)に参加してきました。その報告「パート2」です。

パート2では、今回の滞在で改めて感じたこと、これからアカデミーやmorinos、
あるいは岐阜県でぜひとも真似していきたいな〜と思ったことをいくつか
ご紹介します。

<その① 森のようちえん指導者のためのスキルアップコース>

まずはじめに感心したのが、会場で見た森のようちえんの指導者向けのスキル
アッププログラムの内容でした。2年程度かけて習得するもので、オンラインに
よる知識学習と豪華講師陣によるフィールド実習、そして自分の現場(自分が
所属する森のようちえん)で仕事をしながら実践する宿題の3本柱で構成されて
います。動植物を始めとした自然科学の知識やネイチャークラフト、その他環境
教育プログラムの技術や知識をしっかりと磨いていくための民間主導の研修プロ
グラムでした。

2年間のコースで€3000-程(50万円程度)とやや高額はありますが、教材の一部
を見せてもらったのですが非常に良くできていて、それだけの価値は充分あると
感じました。今はドイツ語に加えスペイン語にも翻訳中とのこと。

公立私立、森のようちえんなどなど園の形態なんて構わずに、日本の幼児教育
指導者がもっともっと「森や自然と近くなれるよう」日本も真似したいものです。

<その② 現代社会におけるユースファームの必要性>

 シュトゥットガルト同様、ベルリンにも多くのユースファームが点在していました。
中にはもともと東西を遮るベルリンの壁の跡地に設立された施設もありました。
ファームにはブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ、ウサギなどが飼育され、放課後
に子どもたちが集い、責任を持って面倒をみたり、散歩したり、あるいは癒やされた
りしていました。


 そして冒険遊び場エリアには必ずといいっていいほど自由な工作や建設遊びコーナー
があり、さらには鍛冶や皮細工など、暮らしの中の本物の技術を見ることができる
スペースが本格的な道具とともに用意されている「子どもたちに本物に触れさせる」
本気のスタンスが素敵でした。

 また、訪れたすべての施設で動物たちの堆肥をコンポストに入れて畑として循環させ
ていたのも印象的でした。また周辺の貧困家庭の子どもたちや学校で問題を抱える子ども
たちのチームを定期的に受け入れて、ウマの世話をすることで心を癒やしていくプログラム
の現場にも遭遇しました。

 「誰にでもアクセスできるように」するために無料で入ることが出来るこうした場所では、
家庭環境の区別なく異なる背景を持った子どもたちが平等に遊びながら混ざり合うことが
できるというのも非常に意味があることだと感じました。

 自由な遊びと家畜、自然が持つチカラを最大限活用して社会が抱える大きな課題を
解決しながら未来の人材を育成し続けているユースファームの必要性を改めて痛感した
1週間でもありました。

なんちゃって先生 萩原・ナバ・裕作