「課題研究」に向けて 〜川辺で森のようちえん〜
森林文化アカデミーのクリエーター科には、卒業前の必須授業として「課題研究」という
超実践ベースの卒業研究があります。
多くの学生は1年生の後半からなんとなくテーマや担当教官を絞り始め、2年生になって
から動き始めることが多いのですが、中には1年生の頃から実践を始める学生もいます。
いつか「森のようちえん」を立ち上げたい!そんな思いを胸に愛知県の保育士を辞めて
アカデミーで森や遊びに関する実践力を身につけに来た森林環境教育専攻に在学中の
1年生、三木悠維さん。ドイツ森林環境教育視察ツアーでの経験を経て、今、少しずつ
自主的に課題研究に向けた活動を始めたようです。
授業をただ受け身で受講するのではなく、探究心に突き動かされて自ら実践を始めた
彼女の姿勢は素敵ですね。
そんな彼女からの報告を以下にご紹介しますね。
+++++以下三木さんからの報告++++++
11月3日(祝)岐阜県の各務原運動公園で行われた”第5回かわまちランバイクレース各務原
木曽川ステージ”にて、「川辺で森のようちえん」という名前で、子どもの遊び場を
用意させていただきました。
そのきっかけとなったのは、5月に赤坂サカスで行われたイベントで移動式の裸足の
トレイル作りをし、体験したり、モリノスでおがくずプールを見て、体験したりして
「こんなに木と触れ合えて、五感を働かせられる遊び場を自分でもやってみたい!!」
と思ったからです。
その頃に丁度イベントのお話をいただいたので、挑戦してみることにしました。
用意した物は、
・裸足のトレイル
・おがくずプール
・トランポリン
・お絵描きコーナー です。
ランバイクのレースを終えた2歳〜6歳のお子さんや、その兄弟(未就園児や小学生)が
遊びにきました。裸足のトレイルには、朴葉の落ち葉、杉の板、竹、松や杉の落ち葉、
丸い木の板、が並べてありました。
おがくずプールの中身は、ヒノキを削った物を使用しました。裸足になって遊ぶ経験
があまりないからか、まずはどのような感触なのか手で触ってみて、次に裸足になり
足を入れてみる、という子がいたり、裸足でよく過ごしている1歳児のお子さんは、
気にせずに裸足になり、裸足のトレイルを繰り返し歩き続ける子がいたりしました。
裸足のトレイルでは、遊び始めると朴葉の落ち葉の中で、2歳のお子さん2名が
お風呂のように寝転んでふかふかの感触やパリパリという音を体で感じて心地
良さそうにしていたり、
松や杉の落ち葉を最初に見て、ちくちく!と言う子に対して、私が裸足で足を
入れるところを見せて、「痛くないよ。気持ちいいよ」と言うと、
「これは痛くないよ」と言いながら何度も歩いていたりしました。
おがくずプールでは、
木くずの香りを嗅いで保護者も「ヒノキのいい香り〜」と言っていたり木くず
を上に投げて遊ぶお子さんを見て「こんな経験なかなかできないので嬉しいです。」
という声もありました。
ランバイクのレースで、緊張して頑張ったお子さんたちが、木に触れて笑顔で
大胆に遊ぶ様子を見て、自分の心のままに楽しんでいる姿をみて、
「挑戦してよかったな」と思いました。
また、子どももも大人も、五感を働かせて木などの自然物と触れ合い、体を動かし、
遊ぶことで、リフレッシュになったり、心が癒されたり、落ち着いたり、心のまま、
ありのままの姿でいられることがわかりました。
目で見て、手で触って、次に足で触れてみる、という順番に気づきました。
子どもたちがやりたい遊びを自分で選択できるような環境づくりや、人的環境が
とても大切だと言うことを改めて学びました。今回の学びをこれからも実践に繋げて
いきたいと思います。
環境教育専攻 1年
三木 悠維


