森のようちえん&プレーパーク実習 〜ゴチャ混ぜ研修に参加して〜
岐阜県には、全国でも珍しく市町村や形態を超えて公立園、私立園、森のようちえんの保育士がお互いのフィールドで子供と一緒に遊びながら交流し学びあう「ゴチャ混ぜ研修」があります。これは3年前に私ナバが提案してみんなで始めた研修なんですが、あまりにも素敵な空間なので学生たちにも実習の場として体験してもらっています。そんな体験について広島の幼稚園で4年間勤務してからアカデミーに入学してくれた学生の「みかほ」こと森田水加穂さんがその時の感想を書いてくれたのでご紹介します。
****以下森田さんの感想*****
「もっと他の園の保育をじっくり見て、自分たちの保育観を耕そう!」ということで、私立園、公立園、森のようちえんと、行政の担当者らが集い、混ざり、それぞれの現場で子どもたちと一緒に遊びながら学び合う、そんな「現場交流研修」(通称、ゴチャ混ぜ研修)が今年も開催されました。 そこでの気づきを森林環境教育専攻みかほがお贈りします。
今回、舞台になったのは、園舎の裏に山を持つ山之上こども園。 この日は強めの雨が降る一日。そもそも、「雨の中、裏山で保育をするか?」「ゴチャマゼ研修を開催するか?」という苦悩があったとのこと。園長先生が悩みに悩み、相談しつつ、決行してくださったとのこと。結果として、雨だからこそ、見られたゴチャマゼ研修の良さがあったような気がします。
雨の音を聞き、雨に当たり、雨の中で焚火をして、雨水がたまったところでどろんこになる子どもたち、保育者、外部からの参加者。寒かったけど、心はなんだかぽかぽかな感じ・・・? ?
雨の保育が終わった後は、ほっと一息。半日を振り返り、保育者からポツリポツリと自分の感じたことを話し合ったのでした。
保育者としての経験がある私ですが、今回ゴチャ混ぜ研修を受けたのは初めて。初めてだったけれど、あの場ができるまで、どれだけの人の努力や想い、行動があったのかが伝わってきました。 そんな、ゴチャ混ぜ研修のサイコーな点として挙げたいのは、「研修参加者(外部)も一緒に保育を創っていく一員」であること。 ? ややもすれば、外部から来た人は保育を邪魔しない、「観察者」として、「黒子」として、保育を観ることを求められることも多い保育業界。でも、子どもたちからすれば、いつもいない人がいて、それを無視しながら生きていくことって「自然」ではないでしょう、と私は思います。
このゴチャ混ぜ研修では、そこに居る一人ひとり、個性が消えない一人の人間として、保育の世界に巻き込まれていきます。思わず、大笑いしちゃったり、目の前で起きることに戸惑ったり。そこでは、「観察者」として、目の前の保育と一線を画する存在ではなく、この場をどうしていこうかと考え動く「主体」にならざるを得ません。だからこそ、日常そこに居続け、保育を公開してくれている保育者への共感、賞賛があります。「人を評価する目」ではなく、「共にどうしていったらいいか考える目」になる気がします。 ?
私は保育者時代、公開保育のたびに、外部の人からジロジロと観察され、評価されるように感じるのが嫌でした。怖かったり、歯向かいたくなったり、意地を張っちゃったり。素直になれない私、着飾っちゃう私がいるような。
でも、ここの研修では、「自分」を消さず、一緒に居てくれる仲間としての外部の人がいるような気がして… 役職や立場、経験はひとまず脇に置いておいて、今日どう感じたか、何を思ったか、どうしたいのか、それらを一緒に考える場があるって素敵なことがだよなあと思いました。
そんな大人たちに囲まれた子どもたち。いつもと違う環境に戸惑いながらも、すぐに心を開いて、その時間を楽しんでいた気がします。 改めて、ゴチャ混ぜ研修という場を生み出した、先人たちに敬意を示したいです。 私も、保育に関わる、子どもたちと向き合う大人たちがもっともっと外に出て、自分を出して、自分の心を耕すことを、プッシュできる人になりたい。そうすれば、もっと子どもたちは目を輝かせて、社会に向かっていく土台ができあがっていく。・・・と思っているので、どうしたらいいかな?と残り少ないアカデミー生活で考えていきたいです。
次のゴチャ混ぜ研修も楽しみ!私ももっと自分を出して、参画していくんだ〜!という気持ちでいっぱいです。
(文 森田 水加穂)