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2026年03月18日(水)

「簡易製材」を体験して

 

森林環境教育の現場で大切なことの一つが、暮らしのものでも、食べ物でもその「プロセスを
体験(実感)する」ということ。目の前にあるものが「どこから」「どうやって」来たのか、
あるいは作られたのか、そのすべてのプロセスを「目や頭ではなく、体験を通して」知ることが
「持続可能な暮らし」をしていくために欠かせないのです。

 木材がどうやって作られるのか、目の前の丸太がみるみる位置に自分の手で角材に製材されていく体験ができる「ロゴソール」は、森林環境教育の現場でとても効果的なツールです。そんな簡易製材の体験ができる授業、「簡易製材実習」での体験について、元学童スタッフでこれからは野草と人とのつながりをもっと深くしていきたい!というアツい思いの元に日々勉強している「ゆみゆみ」こと山口ゆみさんが報告してくれたのでご紹介します。当日は、あいにく当初担当だったナバが不在でしたが、教員のゴローちゃんこと谷口先生に代打をお願いしての授業となりました。噂によるとゴロー先生も楽しんでたとか(笑)。よかったよかった!そしてご指導いただいた伊佐治さん、ありがとうございました。

(ここまで なんちゃって先生 萩原・ナバ・裕作)

****(ここから ゆみゆみこと山口ゆみさんの報告)*****

 卒業式の余韻もまだ残ったままに環境教育専攻1年の3人と林業専攻2年1人とゴローさん(谷口先生のこと)で今はmorinosに在籍で、元林業専攻の先生だった伊佐地彰祥さんを講師に簡易製材の授業をしていただいた。

 簡易製材‥というと文字通りなのだが、例えば森で切った木を 丸太→板→建築材に加工できるということである。

 アカデミーには約30年前に購入したスウェーデン製の木材加工の”ロゴソール“という機械がある。
森の工房にひっそりと鎮座していたのに気づかず初お目みえ。といっても至って構造はシンプルで、丸太をのせ、レールにチェンソーをのせてスライドさせて思いの寸法にカットしていくものである。

 伊佐治さんの資料の中では屈強な北欧人がロゴソールを一人でボルボに載せて森へ行き作業する写真が含まれてはいたが、私たちは数人がかりでえっちらおっちらと工房外へ運び出した。

 授業で取り組む作品は2つ。まず1日目にログベンチをできるところまで制作。2日目はその続きと丸太スツールを作る。ロゴソールに登場してもらったのは丸太を真っ二つにしてベンチの座にするからである。木材には末口と元口の径が異なるため真っ二つに切断するには両方向からの計算と調整が必要である。とたんに私の脳はフリーズし、若者と理系に任せ自分はチェンソーでハンドルを回しながら切断をすすめていく体育系にシフトした。丸太が真っ二つになった断面を見たときは誰彼となく感嘆の声が上がった。シンプルで美しい。まさに北欧製である。

 この2日間で重要なのはチェンソーワークである。私は入学して間もない時期にチェンソーの取り扱い授業を受講してから全く触れてもいなかったので不安でしかなかった。一から丁寧に扱い方を指導してくれてありがとう、ばっさー(学生の米沢翼くんのニックネーム)。

 恋人同士が座る絶妙な長さに丸太をカットする。次に脚となる玉切りした小さな丸太が地面に水平になるように計測してチェンソーでカット。横にスライドしながらのカットは私にはチェンソーが重く、また独特のクセがあるせいか思うように水平にカットできない。落ち込む私に伊佐治さんは「楽しく楽しく」と声掛けして気分を和らげてくださった。感謝です。

 脚になる丸太を2つカットした後は実際に半割りした座を載せてみる。水平器をつかいながら接地面にチョークでなぞって円状になった印をチェンソーでくりぬく。細かく刃を差し込みノミなどでこそげる。座をのせて水平をみる。合うように再びチェンソーとこそげるの繰り返し。最後に五寸釘より大きな釘を打ち込んで完成。ここで言い忘れたが、皮をはぐのも作業。私はヘラを皮と皮の間に差し込んではいでいくのに快感を覚え一連の作業工程の中ではいちばん楽しかった。

 2日目午後、いよいよ授業の終盤に近付いたころ丸太スツールを制作した。丸太の角をチェンソーで取り除く。両手で持ち上げるための持ち手を作るのに両サイドをくり抜く。笑った口を2つ作るようなものだ。これがまた難しい。まっすぐ刃を入れてから斜めに半円を作るよう切れ込みをいれていくのだ。私の口は大笑いしたかのように大口にでき上がってしまった。情けない。

 なんとか出来上がった私たちそれぞれの作品は今テクニカルセンターグランドの里山キャンパスエリアに鎮座している。

 この2日間で正直体は筋肉痛でパンパンになり、その代わり心地よい疲労感でやり切った感があった。丸太をその場で切ることは環境教育をやるうえで必要になることがある‥と伊佐治さんがおっしゃっていたことを思い出した。いろんな方からの助けを借りながらもやりきったことにほっとしている。

 伊佐治さんの丁寧なご指導と温かい励ましに何とかくじけず完成できた感謝に加えて、この授業が講師として最後だということを知り言葉もみつからないほど残念に思う。
 伊佐治さん、ありがとうございました。お疲れ様でした。

(文 森林環境教育専攻1年 山口ゆみ)