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2021年10月14日(木)

日本の文化を守る森『木曽ヒノキ備林』の見学

中津川市連携事業の一環として、エンジニア科1年生全員で『木曽ヒノキ備林』を見学してきました。

木曽ヒノキ

前日までの曇りor雨予報に反して、当日朝は気持ちいい程の快晴

快晴の空

伊勢神宮の20年に一度行われる式年遷宮では、中津川市に位置する『木曽ヒノキ備林』から御用材が供給されます

式年遷宮看板

伐採には昔ながらの神事として斧での伐倒が行われており、過去の式年遷宮で切り出された際の切り株跡なども見ることができます。しかし、国有林内であるため入山許可が必要となり、ガイドの案内が必要になります。今回は「裏木曽古事の森育成協議会」から前川さん・三浦さんのお二人にじっくりと案内していただきました。

 

まずは、山に入る前に『木曽ヒノキ備林』の今に至る経緯と室戸台風で倒れてしまった大ヒノキの資料を見ながら歴史を学びました。

 

初代大ヒノキは写真に納まらない程の太さだったようです

皆で参拝の後、いよいよ国有林に入山

国有林に入ると明らかに雰囲気が変わります。

第62回式年遷宮の斧入れ式跡・名古屋城本丸御殿復元の際の斧入れ式跡・次期式年遷宮の斧入れ式跡を見学させていただきました。どれも普段見ることのできない程大きな木の伐り株でした。1本を切り倒すのに40分かかると説明されましたが、アカデミーでは2年前にmorinosの柱を三つ紐切り保存会の方に指導いただきながら倒した際には丸1日がかりでした。体験したから理解できるその凄さ!

62回式年遷宮の斧入れ式跡。倒し方にもしきたりがあるそうです

次期式年遷宮の斧入れ式跡。伐り株が高いのには理由があります

分かる人には分かる。伐倒方向はこっちだっ!

お昼休憩にはガイドの前川さんによる木曽五木のクイズでそれぞれの特徴を葉・木材の状態で確認。葉の特徴では、さすがアカデミーの学生だ!とお褒めの言葉を頂きました。樹木同定を実習で頑張った成果ですね

木曽五木と言われる種の葉

現地では2班に分かれて10名程度の班行動でした

推定樹齢1,000年の二代目大ヒノキ。遠近法で分かりづらいですが、幹の幅は手前にいる学生の身長と同じくらい。

 

散策には非常に歩きやすい道が整備されていました。話を聞いてみれば、実は50年近く前まで森林鉄道が走っていた線路跡が今道として使われているそうです。とはいえ、この道幅で大径木を麓まで出していたと考えると凄いことですね。昭和の大改修の際に『姫路城』の心柱をこの森林鉄道の道を使って出したというから驚きです。30m近い長さ・太さの樹を山から運搬するのはとても大変だったようです。

 

非常事態宣言により日程変更・台風被害による道路復旧などこの日を迎えるにあたり、幾度と調整を重ねていただきました 中津川市林業振興課の安江様、酒井様、学生に合わせてじっくり回れるようにコースを調整してくださった前川様、三浦様、本当にありがとうございました。

高樽の滝で集合写真

報告:新津裕(ユタ)