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2019年10月26日(土)

バウビオローゲの集い(建築生物学)

「第一回 バウビオローゲの集い」を、アカデミーの建築生物学の授業とバウビオロギー研究会の共催で開催しました。


バウビオローゲって何??という人も多いと思いますが、人や暮らしを中心として建築、都市、環境をホリスティック(総体的)に考える学問であるバウビオロギーの実践者のことです。

全国で活躍しているバウビオローゲの方と学生が一緒になって実践報告とディスカッションを行いました。

まずは自己紹介も兼ねて、実践報告を行いました。私を含めて、岩手、埼玉、福岡からの4名。その後、BIJ代表で前橋工科大学教授の石川恒夫先生から二日目のディスカッションに向けた話題提供と盛りだくさん。

参加したアカデミー学生も建築専攻だけでなく、木工や林業からも参加して、バウビオロギーの懐に深さを感じました。

夕食は学生が手作りで用意していただきました。昨日深夜まで仕込んでいただけあって、レベルが高い。

なぜわざわざ食事の話題と思われると思いますが、バウビオロギーでは、食事は非常に大切

人の皮膚を第一とすると、身を守る第二の皮膚が衣服、次いで建物が第三の皮膚と言えます。さらには、外部環境が第四の皮膚。

日本では、生活の基本を衣・食・住という順番で表現することが多いですが、食(第一の皮膚をつくる)、衣(第二の皮膚)、住(第三の皮膚)という順番の方がしっくりきます

それぞれ大切ですが、まず何より第一の皮膚をつくる食事が大切だからです。

さて二日目。

まずは、私から話題提供でセルロースファイバーの蓄熱、調湿性の話。物事を多面的に見ることを伝えます。

さらに、バウビオロギー研究会理事で東京都市大学名誉教授の坊垣先生からも無駄をなくす暖冷房、換気設備の話題提供がありました。

その後、各自で何を大切に考えているのか整理して、参加者全員が自分の大切にしたい想いを語っていただきました。

ライフサイクルや廃棄物問題、音環境、地域性、色、光などなど、様々な大切な想いが出てきました。この拡がりがまさにバウビオロギー。

 

 

そのなかから地域性というキーワードでディスカッションを進めました。

 

地域素材で作る大切さ、新しい歴史をつくる街づくり、隣接する地域での格差、保存活用する地区と新しい地区の棲み分けなど議論が広がりますが、こちらも当然結論が出るわけでなく、答えはそれぞれが判断して仕事に日常に活かします。

いろいろな属性、個性の方がまじりあい、それぞれの得意分野を持つチームとしての結びつきが強化されれば今回の企画は大成功です。これは、これからの活動にかかっています。

木造建築専攻 准教授 辻 充孝