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2016年12月03日(土)

里山を保全するには? 里山景観マイスター養成講座Basicコース最終回

粗朶の作成

粗朶の作成 前回の里山景観マイスター養成講座Basicコースでは、粗朶の生産を通じて里山を保全するという視点について講義をしましたが、今回は実際に身体を使って粗朶づくり体験です。

粗朶について簡単におさらいすると、粗朶は里山林から出る直径3cm以下の枝を束ねて長さ2.7m、直径およそ20cm程度に束ねたもので、河川の護岸工事に使われる粗朶沈床という構造物などに使用されます。一方で里山整備を行うとき、粗朶の材料になる太さの枝や低木も多く伐採されますので、里山整備と粗朶の生産は相性がよいと考えられます。

今回は関市志津野で里山の整備を行っている竹智さんに先生になってもらい、講座参加者の皆さんに粗朶の作成を体験してもらいました。ただ束ねるだけだから簡単かと思いきや、そうはいきません。1本目は枝がバラバラにはみ出してしまい、あまりウツクシクできませんでした。しかし2本目は上達して綺麗なものができました。

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作業の合間に明るい里山林を散策して、竹智さんにお話を聞きます。写真の木は所有境界に植えられたヒノキで、一番下の枝をくるりと曲げて、境界木であることが一目で分かるようにしているそうです。他にも地元の興味深い話や、昔の里山の利用についてお話を伺うことができました。

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岐阜美濃生態系研究会会長の三輪さんにも、里山の保全についてお話を伺いました。竹智さんとは高校の同級生なのだそうで、地域の自然についてのお話など熱弁をふるっていただきました。

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三輪会長にはヘボ飯(クロスズメバチ入りご飯)を差し入れていただき、皆でおいしくいただきました。これも里山の恵みですね。ありがとうございました!

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お弁当タイムも真剣に意見交換をしながら講座は進みます。

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お昼を終えて午前の部は終了です。講師をつとめていただいた、竹智さん、三輪さんどうもありがとうございました。

 

里山を保全するには?

午後は教室に戻って、里山を保全するために必要な視点について参加者とスタッフで意見を出し合いながら議論しました。多くの視点があって議論が白熱しましたが、最後は参加者に発表していただき、多様な利害関係を持つステイクホルダーをまとめて里山を保全するためには、優秀なコーディネーターが必要であるという認識で意見が一致しました。また、地元で頑張って活動されている方を支援する仕組みが必要であるとの意見も出ました。
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最後に学長名の修了証を発行して講座は終了しました。全回を通じて参加していただいた講座参加者の皆さんの中に、里山を保全するために必要な何か有意義な種が宿ったことを期待しております。里山景観マイスターとして、それぞれのフィールドでご活躍ください。また現場でお会いできるのを楽しみにしています!

教員 柳沢直