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2018年10月19日(金)

冶具を使っておもちゃ作り「電動工具の応用」

クリエーター科木工専攻の1年生が、「電動工具の応用」の実習課題として、アベマキを使ってがらがらを作りました。

アベマキのがらがら

アベマキのがらがら

今回の制作は、美濃加茂市と可茂森林組合との連携事業のアベマキおもちゃプロジェクトともつながっています。材料には可茂森林組合から提供して頂いたアベマキの乾燥材を使用しています。

この実習では、主に冶具(じぐ)を用いた製作について学びます。木工には様々な加工機械を使用しますが、高い加工精度と安全な作業を両立させるために、作業の補助具になる「冶具」を使います。木工の現場では、この冶具の製作は必須のスキルと言えます。なぜなら、冶具のできばえ次第で、作業性や生産性が大きく変わってくるからです。

 

冶具

ルーター加工に使われる冶具

 

今回の授業では、まず冶具とはどんなものか?というところを体験するところから始めました。まずは教員があらかじめ用意した製作課題(図面)と冶具を使ってクルマのおもちゃを作りました。ひととおりの加工、製作が体験できたところで、いよいよ自分たちで冶具を作ってみます。

 

木工CADの授業でプラン作り

木工CADの授業の中で辻先生にもアドバイスをもらいながら図面を引きました

 

今回の製作テーマは「がらがら」としました。そのデザインは学生達に考えてもらいます。デザインを考えるにあたっては、冶具製作の学びを体験するためのいくつかの条件が出されます。まずは学生達にそれぞれプランを出してもらい、そのうち2点を実際に製作することにしました。今回はちょうど並行して行われていた木工CADの枠も使わせて頂きながらプランをまとめて行きました。このように様々な授業やプロジェクトが並走しながら学びに代えていく、実にアカデミーらしい進行です。

 

CADでプラン検討

CADの使い方を学びつつ、同時に図面も完成させていきます

冶具の検討

使用する機械や道具を並べて冶具の形を検討します

冶具づくり

同じアイテムの加工を1枚の板におさめた冶具をつくりました

がらがらの「つかみ」の部分を彫りこんでいきます

中のくり抜き部分を成形しています

中のくり抜き部分を成形しています

細かなパーツも作っていきます。冶具を使った穴あけ

丸棒削り

丸棒も冶具を使って自作しました

そうして完成したのが、冒頭にご紹介した「肉球のがらがら」と「枝豆のがらがら」です。今回のデザインのテーマは実習課題の条件によって決まったところがありますので、「なぜ肉球?枝豆?」と聞かれると、あまり深い理由には行きつかないのですが、なかなか素直で可愛らしい形に仕上がったと思います。

今回製作したがらがらは、今年度中にオープン予定の美濃加茂市内の木育ひろばに納品する予定です。施設がオープンしましたら、ぜひ手に取って遊んでみて下さい。

 

アベマキのがらがら

学生達がデザインから製作まで手掛けたがらがらです