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2018年12月11日(火)

百年公園木育WS「みみつき☆木のフレームをつくろう!」

4月にスタートした木工専攻2年の木育の授業「木工講座の実践1」がやっと終盤を迎えました。100ヘクタールという広大な里山を有する岐阜県立の都市公園である「百年公園」。公園内に知の集積・発信施設としてある岐阜県博物館。この2つの財産を木でつくる(木工)ことを通して県民の皆さんに再認識してもらい繋げるためのWS開発の授業であります。そこでの実践の4企画を各企画者にレポートしてもらいました。この調査~打ち合わせ~プレWS~ブラッシュアップ~広報~本番WS~ブログアップ~報告書提出までが「木工講座の実践1」の実践なのです。

Cr2「木工講座の実践1」En2「木育総合演習」担当 松井勅尚

 

百年公園レストハウスでの木育ワークショップ第二弾が11月18日に実施されました。自身の企画ワークショップで参加費(教材費)をいただくのは初めてのこと。連携をとる県博物館や百年公園指定管理者の意向も反映させたく、実践とは多方面のことを同時に考えて進める難しさがあると痛感します。はたして参加者に来てもらえるのか? 来てもらえたなら、この価格を納得して支払ってくださった参加者の方に満足のいく内容を提供したい、云々、さまざまな思いがよぎるなか準備を進めました。今プログラムは来春以降、NPO musubi (代表 吉田理恵さん)が継続していくため、素材の仕入から加工の手間、必要スタッフ数(=人件費)等、将来本格的に有料開催を見据えシビアに価格を決めなければならなく、大切な実践でもあります。

前日までに問合せは受けたものの予約はうまりきらず、残席分を当日呼び込みで何とかしよう と 懸命な声掛けの結果、開始時には予定数に達するという驚きの引力を卒業生の吉田さんが発揮され、諦めない姿勢・呼びかけの本気度・見知らぬ人と話す対話テクニック…… 経験を積まれた吉田さんの集客力に学生は学ぶところ大いにありでした。

年長さんから成人まで入り混じる満席にスタッフはフル稼働、初めての場所で多少もたつきはあったものの、夏のプレでの経験から段取りは心得ており、各自受け持った参加者の方に合わせマンツーマン指導で工程を進めていきます。ぎふ木育指導員の三浦さん + エンジニア科の学生3名(桂川君・木下君・河野君) + クリエーター科の企画者(柴田) の3種混成チームであるスタッフは、8月のプレWSから本番に向けプログラムを見直し、各担当部分と全体の流れについて意見を出し合い、打合せ・リハーサルを経て当日に臨んでいました。

 

猛暑の夏にごった返しで実践したプレWS!

45度に切る線の墨付け(下書き)が難しい!

4辺の額同士を繋ぐのも難しい!素晴らしい針さばき・・・

 

最初にぎふ木育指導員である三浦さんが今回のテーマ 「樹」について丸太持込みで解説してくださり、続いて学生達による道具の使い方や墨付け・工程についての説明、その後は参加者とスタッフでペアを組み作業に入っていきます。

みみつきのフレーム枠を棹から4本切り出すには、治具を使って45度に8回ノコギリを入れることになり、小さなお子さんにとってはなかなか大変な作業といえます。

ノコギリを使うのも初めてで、慣れてコツをつかむまでは横で見守られていた親御さんの手助けが必要になるかもと思われましたが、何度も繰り返し切るうちにだんだん上手になり、子どもの吸収力に感心させられました。

スタッフからも

「小さな子でも短時間でとても上手くなっていくのがわかる」

「8回でこれだけ上達するのだから、体験することは大事だと思った」

という声が聞こえました。興味を持てば小さなお子さんでもしっかり説明を聴いて実行してくれる、繰り返し作業に根気よく取り組んでくれる、ということがわかり、そう促すことができた各スタッフのスキルの向上も感じられました。

怪我も作業ミスもなく、それぞれ無事に完成品を手にされ笑顔で記念撮影。

「楽しかった!」

「難しかったけれど面白かった!」

等の感想をいただき、まずはひと安心。反省点もさらなるブラッシュアップの必要性も感じつつ、回を重ねればプログラムは進化することを実感。博物館・公園との連携を深め来春以降どう発展していくのか、楽しみでもあります。

*木のみみ …… 樹皮が剥がれたあとの(樹皮と接していた)一番外側の部分、皮に最も近い部分

企画担当:クリエーター科 2年 柴田 眞規子