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2024年04月18日(木)

中津川市で木曽と裏木曽、両地方の三ツ紐伐りを見学!

クリエーター科林業専攻2年生の「森林施業演習」、エンジニア科林業コース2年生の「選木・伐採実習」で中津川市の三ツ紐伐りの見学を行いました。この見学会は、森林文化アカデミーと中津川市の連携事業の一環としてやっており、岐阜県で古くから行われてきた伝統的な伐採技術である三ツ紐伐りを将来に伝えるために実施しています。

 

今回の三ツ紐伐りは、長野県上松の三ツ紐伐り保存会、岐阜県中津川市の裏木曽三ツ伐保存会のメンバーが共同して行いました。両地方の保存会の技術が一度に見られるという、またとない機会を今回は提供して頂きました。

 

この三ツ紐伐りですが、20年に1度、伊勢神宮の式年遷宮の御用材を伐採するために古来より伝わる伝統的な伐採方法です。次回の式年遷宮は2033年で、そこで使用される御用材を伐り出す神事、「御杣始祭」(みそまはじめさい)が来年行われます。長野県木曽地方と岐阜県中津川市の裏木曽と呼ばれる地域で、それぞれ伐採の神事が行われますが、伐採の方法は古来から伝わるヨキを使った伐採です。

 

普段アカデミーで行われる伐採の実習や、林業の現場ではチェンソーでの伐採が主ですが、この神事の際はヨキのみで桧の大木を伐り倒します。

 

まず初めに、伐り倒す木に住んでいる小動物や鳥がいないか、木を3回叩いてからヨキの刃を入れ始めるのが習わしです。

神事の際は、決められた人しかヨキを振ることができませんが、今回は練習を兼ねていたため学生もヨキを振る作業に参加させていただきました。

 

右から降り出す右ヨキ、その反対の左ヨキと両方できないといけないため、普段右利きの作業しか慣れていない場合は大変です。

 

木曽と裏木曽では、同じ三つ紐伐りでもツルの高さや形状が微妙に異なります。今回は両方の作業を間近に見れる、またとない機会でした。

 
 

倒した後は、鳥総(とぶさ)立てといって、伐採した木の先端部を株にさして、山の恵みをいただいたことへの感謝の気持ちを表します。

 

本番の神事は来年に実施されます。そして、次回神事はさらに20年後になります。若い方に技術に引き継いでいけるよう、両保存会では若い方が積極的に参加していました。古来より伝わり、未来にも引き継がれる神事に関われることは、とても素晴らしく、皆さんの生き生きした表情がとても印象的でした。

 

最後に保存会の方と記念写真です

 
 
この場を提供して頂いた中津川市の方、三ツ紐伐りについて丁寧に解説して頂いた保存会の方、大変ありがとうございました。
 
林業専攻 杉本