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2022年09月28日(水)

林業・建築 専攻間連携~伐採から製材~(自力建設2022「丁稚基地」)

現在、自力建設進行中です。自力建設で使用する木材は基本的にはアカデミー演習林から切り出された材を使用します。切り出される丸太の長さは通常4mです。しかし設計が進んだところで6m材が必要なことが判明!

さあ、どうする!?

慌てて林業専攻の人に相談しました。そうしたら今年の演習林の伐採作業はすでに終了。急いで演習林を見に行くと、4mに刻まれる前の丸太が一本だけ残っている! 

丸太一本から取れそうな6m材は2本。しかし必要な材は3本。林業専攻の池戸先生に相談すると、急遽伐採して頂けることに。それも相談してから2日!

“もう少し早く設計していれば”と申し訳ない思いと、有り難さと入り乱れた感情が。

伐採当日は池戸先生とエンジニア科の学生さん3名が作業してくれました。山の地形は複雑なため、安全にそして伐採する木を優しく倒してかつ伐採後の搬出がしやすい方向を慎重に見極めていました。

伐採はスイングヤーダを使用して伐採方向にワイヤーで引っ張りながらの作業。

そして見事に狙った方向に優しく伐倒!

伐倒後、寸法を計り所望の長さに切って頂きました。

そしてフォワーダに載せて運び出し作業。アカデミーの製材棟まで運んでもらいました。

次に製材作業です。建築専攻の吉野先生に6mの丸太からの製材をお願いしました。

製材では製材後の曲がりや捻れを考慮して少し大きめにカットします。スムーズな作業で、あっという間に丸太が角材に! 切り出して頂いた丸太は、節がほぼ無い非常に綺麗な材でした。

 次に4面モルダーでの木取り作業です。4面モルダーは4面を一度に仕上げることが可能な機械です。この木取り作業で所望の寸法に仕上げます。演習林から切り出してもらった材で、代わりがないので緊張しながら作業でした。

無事に6m材の木取り作業も終了。軸組に必要な他の材の木取り作業も終わりました。

今回演習林から搬出した木の1本は、山から木を運び出すときに使う架線の支柱として使っていた木でした。荷がある側にある立木の支柱で先柱として呼ばれ、太くて丈夫な木を選ぶようです。支柱は他の木を運ぶ大切な役目を果たして最後に伐倒されます。

池戸先生は、支柱として働いてくれた木を伐る時は特別な思いがあると仰っており、感謝の気持ちを込めて伐倒するとのことでした。そして、その後どのような所に活用されるのかも気になるとのこと。その思いを聴いてからの製材と木取り作業は 木そしてここまで携わってくれた方々へ感謝しながらの作業でした。このような林業から製材、そして木造建築への繋がりは、アカデミーでしか体験できない貴重な経験です!

木の供給元である林業への相談からわずか数日で所望の材を入手することは通常ありえないことで、専攻間連携がスムーズにできたからこそだと思います。作業に携わっていただいた池戸先生、吉野先生、林業専攻の学生の方々に改めて感謝いたします。

次は、いよいよ大工合宿に突入です。大工合宿では墨付け、刻みを行い、仮組みまで行う予定です。大工合宿で上手く組み上がるのか? 乞う、ご期待!

木造建築専攻1年 杉山