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2019年02月11日(月)

建築生物学(バウビオロギー)の授業開始

今年度から本格的に始まった建築生物学 バウビオロギーの授業。

初めて耳にする方も多いかもしれませんが、ドイツ発祥の総合学問です。

名前の由来はBAU:建築、BIO:生命、LOGIE:学問

ということで、建築生物学と訳し、つくられた環境と人との全体的な関係の学問です。この全体性というのが一つのキーワードです。

日本では、前橋工科大学の石川教授が日本バウビオロギー研究会を主宰され、徐々に浸透しています。アカデミーでも2015年に非常勤講師としてお招きして、バウビオロギーの概論講義をしていただきました。環境を総合的にとらえるバウビオロギーと森林から環境教育、建築、木工まで幅広い分野を学ぶ森林文化アカデミーとの関係はぴったり合っていました。

そのエッセンスを少しでもレギュラー授業で伝えればということで、新たに建築生物学の授業を構築しました。とはいっても幅広い分野を伝えるのはいくら時間があっても足りません。

バウビオロギーには3本の柱があり、それらのバランスによってバウビオロギー建築が出来上がっています。

当然人と環境の関係性に重きを置くため「健康」というテーマは切っても切り離せません。

さらに、環境、社会、経済を総括する「持続可能性」がなければ一過性のものに終わってしまいます。

最後に、「造形」が大切です。ここでいう造形は奇抜なデザインではなく、地域の素材や色合い、形状など、人の間隔にあったもので、造形がなければ文化として成熟していきません。

この3つのバランスで考えていく必要があります。

とはいっても、どこから手を付けていくか・・・。ヒントは、バウビオロギーが提唱する25の指針があります。

25の指針はドイツでも、何度か見直しが行われ、今年度も新しい指針に更新されました。下に示したものは、一昨年までの指針ですが、新しい指針も早速学生に示しています。

これらの25の指針を学生と概観し、気になる指針をそれぞれ挙げてもらいました。

学生から出てきた関心の高い項目にしぼってさらに深く実践していきます。

准教授 辻充孝