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2021年08月11日(水)

岐阜樹木育苗センターを訪問

下呂市乗政にある、岐阜樹木育苗センターを訪問しました。

ここは、従来、岐阜県の林木育種場であったものを、民間企業の持つ優れた生産技術を導入し、コンテナ苗の安定的な供給体制づくりを進めるため、平成27年に住友林業(株)と岐阜県が「岐阜県苗木供給体制整備事業に関する事業協定」を締結し、基盤の整備は県で、育苗施設の整備やコンテナ苗の生産、販売は住友林業(株)が担うことで開設されました。

現在、2棟のハウスが整備され、年間40万本のコンテナ苗を供給しており、今後さらに2棟増設し、年間80万本以上の苗木の生産、供給を目指しています。

そんな、育苗センターでは、アカデミー卒業生の木下正基さんが活躍されています。

木下さんは、平成30年度末にアカデミーのエンジニア科を卒業され、住友林業(株)に就職し、育苗センターに配属されて、今年で3年目になります。

今回は、木下さんに施設を案内してもらいました。

施設の配置や今後の整備計画を説明される木下さん。

今後の整備計画について、とても熱く語ってくれました。

充実種子選別装置システム

これにより、かなりの精度で良い種子と悪い種子を自動で選別し、仕訳けできます。

住友林業(株)が九州大学等と開発したシステムで、これまでの選別方法に比べて、セルでの発芽率が飛躍的に向上(85%以上)していることのことです。

セル内で発芽したスギの苗。

これを手作業でひとつひとつ丁寧にポットに移植します。

1人でも1500本以上のコンテナ苗を載せた専用台(ベンチ)を移動させることができるムービングベンチ方式が採用され、労働負担が大幅に軽減されています。

空調機の導入できめ細かな温度調節が可能で、1年弱でコンテナ苗として出荷できるまでに成長します。

県内の森林資源は成熟しつつあり、本格的に主伐、再造林をする時期を迎えていることから、植え付けが容易で、かつ、通年で植栽可能なコンテナ苗の安定供給は不可欠です。

岐阜樹木育苗センターが、伐って、植えるという循環を支え、そして、それらを担うアカデミー卒業生の木下さんの益々のご活躍に大いに期待します。

                                    副学長 久松