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2020年02月19日(水)

令和元年度第5回施業プランナー技術維持研修を開催しました

令和2年2月12日(水)

 

(1)新たな森林管理システムの概要について

9:35~11:00

林政課 森林企画係 川畑技術課長補佐

 

平成31年度から施行された森林経営管理法に基づく「新たな森林管理システム」と、総務省が令和6年度から「森林環境税」の徴収を開始すること、及び令和元年度から先んじて都道府県、市町村に交付されている「森林環境譲与税」について説明していただきました。

両方の新しい仕組みとも今年始まったばかりですので、活動事例も少ない状況ですが、これから岐阜県内の市町村でも活動が進んで行きますので、工夫ができることがないのか要注目です。

 

(2)林業・林産業における国内外の最新動向

11:00~12:00

林材ライター 赤堀 楠雄

 

林業業界のライターとして活躍されている赤堀さんから、全国を取材された情報を基に、「林業とは何か」(どういう生業なのか)について講義をしてもらいました。

赤堀さんが現場を回って、いろいろな林家さんと触れ合うことで感じられたのは、「森林は常に育て続ける仕事」であるということだそうです。最近は、「木を伐って利用する時代になった」と言われていますが、林業家は、常に育て続けることを軸にして、無闇に伐採量を増やさないということだそうです。また、林業に関わるということは、森林を管理するだけでなく、居住する地域の保全にも関わるということになるとのことでした。

 

(3)木材の付加価値ビジネス

13:00~16:30

林材ライター 赤堀 楠雄

講演の中で、木材製品に付加価値を付けるため、様々な努力をされている企業の事例を紹介していただきました。木材製品に付加価値を持たせるためには、原木の質が高いことが非常に重要であるとのことでした。原木の質が良ければ、既存の商品の価値を高めることができるし、新しい商品開発もできるが、原木の質が悪ければ、不良品を削減することに注力せざるを得なくなり、製品歩留りが悪くなってしまうため、原料である原木を安く買うしかなくなってしまう。柱材生産から、ニーズが増えている板材(ラミナ)生産になると、節のない原木であることが非常に重要となります。ヨーロッパでのCLTはA材で作られているというコメントを聞かれた話や、ニュージーランドのラジアータパインは8mまで枝打ちが行われ、様々な商品に使えるようになっている事例の紹介がありました。近年の森林管理は、林業作業の効率性の向上、原木量の増加、補助事業の適正な実施が林業事業体、行政の目標になっていますが、これからの林業・木材産業を成長産業にするためには、原料の質(良い山作り)にもこだわる必要性を感じました。良い山作りを行うためには、林業現場(主に林業家)の試行錯誤をしていくことが必要だということでした。付加価値付けに取り組んでいる木材企業、良い山を作ろうと試行錯誤をしている林業家の熱意を感じました。

 

(4)修了証書授与式

16:30~16:45

本日の研修を終えて8名全員が合計26時間の令和元年度施業プランナー技術維持研修を修了しました。長沼副学長からは、「今後も、川中、川下の状況把握に努めるとともに、技術力を高めるよう自己研鑽に努め、自分で考え行動できる地域のプランナーのリーダーになってもらいたい。疑問、質問があれば県にぶつけてもらいたいし、アイディアを提案してもらいたい。」というお言葉をいただきました。皆さん、お疲れ様でした。

今後の活躍に期待しております。