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2018年08月26日(日)

ひたすら断熱計算の一日 パッシブデザイン復習編2

専門技術者研修「パッシブデザイン設計法 復習編2」を開催しました。
今回は、断熱計算をしっかりマスターすることを念頭に、手計算と私の作成している計算ソフトを活用して、ひたすら断熱計算の一日です。

午前中は、手計算でしっかり復習。

無断熱と、グラスウール5mm、30mm、100mmと厚みを増していった際の熱貫流率の変化はどうなるかなど、手を動かしながら計算して、図示していきます。

実践編で駆け足気味に学んだ内容を、再度頭に焼き付ける作業です。

午後からは、私の開発したソフト「環境デザインサポートツール」の断熱部分だけしっかり使用していきます。

手計算で行っていたものが、パソコンを使うとこんなに簡単に計算できるのかという感覚を持ってもらい、実務でどんどん活用して、定量的な評価を標準にしていきたいです。

今回計算したモデルは、CASBEEというエコ度を評価する環境評価ツールのモデルプラン。簡単な総二階の間取りなので、比較的シンプルに面積が拾えます。

概ね1時間くらいで、部位の入力から面積入力まですべて完了しました。

今回はここからが本番です。

美濃市は地域区分5地域(北海道北部の1地域~沖縄の8地域まで寒さの度合いの区分)で岐阜市の6地域より少し寒めの地域。

省エネ法では、岐阜市と同じ外皮平均熱貫流率UA値0.87W/㎡K(断熱の基準で数値が小さいと断熱性能が高い)が目標です。

今回の間取りでは、壁や屋根にグラスウールを100mm入れてアルミサッシペアガラスで、ぎりぎりクリアできていない状況でした。
まずは、最低限の省エネ基準レベルをクリアするにはという課題。サッシを少し高性能に変えるだけで、1分かからずに全員計算完了。ソフトを使えば簡単です。

では次に、もう少し高性能にするにはということで、いくつか目標を決めながら、各々が考える仕様でクリアを目指します。

暖かさ重視で、床や開口部を中心に向上させる人や、暖かさはそれほどでも安く断熱性能を上げるために天井を強化する人など、目的によって断熱すべきところが変わります。

 

今回、いろいろ活用したため、ソフトの使い方が馴染んできたかなという印象。

ぜひ実務でいろいろ計算して、自分自身の目標値を考えられるようになれば幸いです。

准教授 辻充孝