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2017年12月13日(水)

“遊具は自分で作るもの” ”ロープとノコがあれば森は遊び場に大変身!” 可児市南帷子小「わんぱく山プロジェクト」今年もやりました。

アカデミーで森林環境教育を専攻している学生(特に自然学校やスタッフやインタープリターになりたい人)には、毎日のように実践の場が提供されています。林業の学生が演習林を毎日用意されているように、環境教育の学生にとっては、実践現場がほぼ毎日用意されています。それを活用するかしないかは学生次第。森のようちえんやプレーパークに至っては学内で日々活動しています。でもそれだけではありません、大人向けの観察会だったり一般向けのイベントだったり、今回のような「出前授業」だったり。。。学生たちはこうして子供から大人までを対象とした現場で「受け手の様子」をリアルに感じ、「現場力」や「伝える力」を身につけていきます。

さて毎年恒例となった可児市になる南帷子小学校への出前授業。ここには「わんぱく山」と呼ばれる校庭に面した素敵な山があり、大昔から(今の子供達の親さんたちが小学生の頃から)子供達が遊んでいた山があります。なんとわんぱく山の歌まであるんです。

そんなわんぱく山に、5年生の授業として丸々3日かけて、自分たちで森の遊び場を作っちゃおうというプロジェクトをここ5年ほど毎年お邪魔して実施してます。学校の方、PTAの方、そして普段この山を整備してくださっているボランティアの方々にも毎回とってもよくしていただいてます。ここの子供達は幸せですね。

そして1年後、彼らが6年生になって卒業する前に、今度はそのロープを外していくというプロジェクトもあります。遊び場を作る場所は毎年山の中の別の場所。伊勢神宮の式年遷宮のように、交互に場所を変えながら、遊び場を作ります。これなら多少は木や森に対してのインパクトも抑えることができます。

そして遊具を作るための材料は、「ロープ」のみ。

ロープとノコギリさえあれば、森は子供たちの最高の遊び場に早がわりです。
しかもロープの結び方を3つくらい覚えれば、大抵のものは作れちゃいます。

毎年、プロジェクトはこんな風に進みます。

1 日 目:アカデミーの森で遊びまくって森の遊び場のイメージを体感する&ロープワークを覚える

2&3日目:自分たちの学校の「わんぱく山」で遊び場を作って遊ぶ

完  成:わんぱく山開きの日に1年生から6年生までを自分たちの作った遊び場に招待。

卒  業  前:遊具を解体し、残ったロープや木で自由に好きなものを作って卒業前の記念品にする。

といった感じです。

1日目、アカデミーの森で遊びつつ、子供達は、昨年度解体した時に出たロープをマイロープにして、ロープワーク(結び方)を覚えます。1ヶ月後ぐらいに自分たちのわんぱく山で遊具が作れるようになるよう、各自マイロープを使って懸命に覚えてました。

2日目、いよいよ遊び場作り開始!道具をみんなで山に持ち込んで、一気に始まります。「ぶらぶら系」「ターザンロープ系」「あみあみ系」などなんとなく作りたい遊具のイメージでグループに分かれて作業しつつそれぞれの遊具がつながるような方向で作業をします。

考えてる時間なんで無用。子供たちの「遊びたい!」の気持ちから面白い遊具が次々と生まれてきます。

毎回スタッフとしてサポートしているのが、ナバ&アカデミー&みのプレーパークでプレーワーカーをしてくれている仙人&チコちゃん&ケンちゃんです。子どもも大人も、そして先生もみんなみんな森の中で真剣に遊び場作りです。

学生さんも、ロープワークを懸命に思い出しながら実践します。技術だけを先に習うのではなく、こうして必要に迫られて技術や知識を身につけていくほうがよほど身につくと信じています。

60人の子どもたちと、先生&スタッフが真剣に遊びながらの2日間。後半は毛糸やテープで装飾して、あっという間に素敵な素敵な遊具が完成!

5人乗りブランコ

ロープの橋

モンキーロープ

うんてい

フライイングフォックス

ツリーハウス

なんじゃもんじゃロープ

ハンモック

ぐるぐるメリーゴーランド

ブランコランド

などなど様々なものが生まれ、そしてつながり大きな生き物のようになりました。

「ロープとノコギリがあればなんでも作れる」

「遊具は自分で作れるんだ」

子供たちの顔はとっても誇らしげでした。そして何よりも先生が楽しそうでした。

そんな体験をもとに、いつしかこの子どもたちが自分たちの子と一緒にこうして森で遊ぶようになってくれたらいいなぁ。と思いつつ学校を後にしました。

<オマケ>

そんな遊び場づくりの二日間、ちょっとの間をいただいて、将来インタープリターを目指すアカデミー1年生、谷やんは自らのインタープリテーション技術を磨くべく小学生相手にプログラムを展開。子供たちからも大好評でした。終了後はナバや仲間からのフィードバックもしっかりと受け、自分なりの手応えを感じていたようです。いつでも貪欲に、そしてチャンスを逃さずに技術を磨いていってください。現場ならいくらでも用意しますから。

なんちゃって先生 萩原ナバ裕作