活動報告
2019年02月11日(月)

建築生物学(バウビオロギー) 電磁場測定

バウビオロギーの授業では、様々なバイオマス暖房や断熱材の蓄熱性の影響度など、日本では通常では考えられない、いくつかの学生の関心の高いテーマで授業を進めましたが今回は特に重要な電磁波のテーマを紹介します。

電磁波と一口に言っても、特に低周波の場合は電場と磁場に分けて考える必要があり、低周波の電場と磁場は日本では特に注意する必要があります。

なぜかというと、世界の中でも日本は電圧(V)が低いため(日本は100Vですが海外は240Vが多い)、電流(A)を多く流さないと家電などの機器を動かす必要な仕事(W)ができません。そのため、各国より電流から発生する磁場が多い傾向にあります。

また、電圧が低いために、アースが義務付けられておらず、水廻り以外ではほとんどアースがとられていません。海外では、電圧が高いため安全のために、ほぼアースがとられています。(海外のコンセントではアースを足した3つの棒が出ていることが多いですよね)そのため、電圧から発生する電場も海外に比べて多くなっています。

この目に見えない電磁場ですが、WHOでも発がん性のリスクを訴えるなど、健康との関係が懸念されています。

そこで、この授業では、電磁場測定器を使用して、学生の居室内をいろいろ測って対策を考えました。

これらが測定器のいろいろです。低周波磁場や低周波電場を測るものから、簡易的に多い少ないを確認するものまで様々です。

まずは、基本となるコンセントを見てみます。

実は、穴の大きさが左右で違っていて、左が大きくなっています。(皆さんも一度自宅のコンセントを確認してみてください)

左が0V、右が100Vの電圧がかかっていて、ここに機器を指すと、100Vの電圧差が生まれ、電流が流れる条件が整います。ですので、コンセントには指す向きが本来決まっていて、間違った向きにさすと、機器本体に常に電圧がかかった状態になり、電場が多く出てしまいます。

写真のコンセントでは、下にアース用の端子が併設されていますので、機器からしっかりアースを取ることで、電場を低減できます。

パソコンや湯沸かしポット、照明器具など、いろいろ測定しました。

基準の参考にしたのは世界でも厳しい基準を取っているスウェーデンの電場が25V/m以下、磁場が2.5mG です。

計測を始めると、いろいろな場所でこの基準を数倍から数十倍の大きさのゾーンがあります。電磁波の被ばく量は、強度×時間なので、長時間いるような座席付近は低減できるように、コンセントを正確に指し直したり、アースを取るなどの対策を施しました。コンセントの向きを正しく差し替えるだけでも、低減効果がそれなりに見込めます。

コンセントの向きを変えながら、正しい方に印をつけたりとしていきました。

その中で、学生が持っていた延長コードが逆に刺さらないものが出てきました。よく見ると、コンセントの棒が左右で大きさが違います。

正しい方向にしかさせないコンセントです。さすが、とメーカーを見ると、スウェーデン製のIKEAのもの。やはり、電磁波環境の意識が高い国です。

日本製品は、測定器で計測しないと、正しい方向がわからないものが大半です。

今後、少しでも居住環境の電磁波低減を考えると日本のメーカーでもこのように、指す方向を示してもらえることを期待したいです。

准教授 辻充孝


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