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2016年10月19日(水)

客員教授、挟土秀平さん、小田忠信さん、涌井史郎学長による特別講義

 岐阜県立森林文化アカデミーの客員教授と涌井学長による特別講義

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森林文化アカデミーでは各業界の第一人者の方々に客員教授に就任して頂いています。今回は職人社 秀平組代表の挟土秀平さんと、㈱クインビーガーデン代表取締役の小田忠信さんにご講義頂き、その後に涌井史郎学長とのトークセッションを実施しました。

まず小田忠信客員教授が「ミツバチと私たちの暮らし・文化」と題して講義をされました。

小田客員教授は静岡市に本社がある㈱クインビーガーデン代表取締役で、「現場主義、現地主義」を基本に世界各国を巡って製品作りをされ、博士号(環境共生学)も取得され、生き物文化誌学会の副会長の要職にも就かれています。

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小田客員教授は、ミツバチとは、ハチミツとは、ミツバチの歩んだ道、それと人類がどのように関わり、ミツバチがどうして集団脱走したり、大量死を引き起こしたのかなど、様々な視点で自然を見ることを示唆されました。

日本の産業的用法の始まりは、旧内務省勧業寮(現在の新宿御苑)でセイヨウミツバチの養蜂を試みたところに始まり、数々の失敗の後、小笠原で最初の産業的養蜂が確立しました。

全国で養蜂業者が最も多かったのが岐阜県で明治時代には岐阜県だけで6000人はいた。岐阜県は岐阜市の名和昆虫博物館があったこともあり、「種バチ」を配布する養蜂家が多かった。

現在、産業的養蜂家は全国で400人ほどしかいない。

森林との関係では「Honeydew honey」という甘露蜜が針葉樹についてアブラムシやカイガラムシの甘露からつくられることも説明されました。

面白いのは東京の「赤坂Bee Townプロジェクト」で、ミツバチがどこで水を飲み、どこに糞をするのか。・・・・こうした自然生態系を考えると大変面白い。

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続いての挟土秀平客員教授、挟土客員教授は岐阜県高山市の秀平組を拠点に、日本全国は元より世界で日本の左官を、技術者レベルから空間プロデューサーにレベルアップさせた第一人者であり、現在放映中の大河ドラマ「真田丸」の題字を左官コテで描かれたことでも有名です。

挟土さんは「機能とデザインを併せた壁づくり」をされており、壁を四面塗れば「空気」をつくる。そしてそれが「いい空気」をつくる。天井と土間を作ればどうなるか? 外壁も塗れば「建築」になる。建築となれば「庭」も重要。だから「風景」をつくるのが職人ではないか

風景をつくるということは「景観」をつくり、町をつくる。そのためには感性の豊かさが重要。

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現在、高山市内で取りかかっておられる作品について、山を切り開く当初、庭造りの師匠から、

「土地を傷つけるならば水をどのように処理すべきかを考えなければならない。水の動きを考えないのであれば、土地を変形させてはならない。」と教わった。これは林業にも通じます。

そのよに水のことを考え、植え込んだ植物の調子が悪くなれば、何度も生育場所を変化させ、最適な場所を探る。自然との根競べ。自然の傷を直せば「美」となる。

壁でも建物でも、古い物を古いまま美しく見せる。単なる修復ではない。 現在の庭には自然の中に一つだけ人工的手を入れたドウダンツツジを配置している。

人間と自然は長く敵対関係にあった。話の中では、「動的平衡」で有名な青山学院大学の分子生物学者、福岡伸一教授との出会いの内容も織り込みながら、植物学者のように高山市で出会う植物のことも話されました。

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最後は涌井学長がコーディネーターとして、小田さんと挟土さんとのトークセッション。

小田さんが、2006年にアメリカで発生したミツバチの大量失踪につて、アーモンド畑ばかりで生活していたミツバチは単一種からの栄養摂取だけで栄養が偏ってしまったことを話されると。

涌井学長が、自然界のダイバーシティ(多様性)が重要性について話され、議論がより深くなっていrく。

また別場面では涌井学長が、「芸術」は藝はインスピレーション、術は技術。つまり技術がある上にインスピレーションがあることについて語られると、挟土さんは最高の技術を身につけたら、少し遊び心をもって少し崩した作品にすることについてお話しされました。

そのためには、「しつこく、くどく、こだわる」ことの重要性。競争があって共生がある。自分の感性があって成し遂げるものがある。Natureという存在が重要とも話されました。

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さて、お二人の客員教授の話、学生を差し置いてアカデミ教員が質問しまくるほど、刺激的で興味深い特別講義であったのです。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

 

 

 

 

 


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