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2018年12月10日(月)

ドイツ森林環境教育ワークショップ報告!


先週はドイツざんまいな1週間でした。

全体コーディネート&アテンドのためドタバタだったナバの代わりに、森林文化アカデミーの森林技術開発・支援センターの鈴木知之さんが要点を得た素晴らしい報告をしてくれたので紹介します。

****以下鈴木さんの報告*****

昨日から始まった「森林環境教育セミナー」。
森林文化アカデミーにドイツから4人の専門家を招いて開催しています。
ドイツの北部で10年前から「森のようちえん」や「放課後の森のプログラム」を実践しているイルメラ・ウィルさん夫妻。

ドイツBW州にある公立の森林環境教育施設「ハウスデスバルデス(Haus des Waldes、森の家)」で、チーフディレクターとして活動しているフォレスターの、ベトール・ライヒレさんと、教育ディレクターのカタリーナ・ファルケンバーグさん。

ドイツでは、森林の中で、学校の学習指導要領に沿った授業を実施することが一般的で、学校や先生の方針によるものの、多くの学校で、森林の中で算数や理科、社会、国語、芸術などの授業の一部が行われているそうです。


いつもの教室とは異なる森林の中での授業は、単なるレクリエーションでなく、体系立てられた学習効果の高い手法で、森林という非日常の空間の中で、体験、体感に基づいた学習は身につきやすく、他者との関わりについても学ぶことのできる良い方法とのこと。

森林教育というと「森林」について機能や役割を教えてあげる、というイメージがありますが、森林を舞台にして効果の高い学習をしよう、というのがすごいですね。

2日目となる12/3は森林文化アカデミー自慢の演習林で指導者向け研修。幼児向けと小学生向けの2つのプログラムのうち、小学生向けの方に参加しました。先生はベトールさん(男性)とカタリーナさん(女性)。
参加者は小学校の先生や森林を使った活動をしている方、これからしようとしている方など、森林での教育に興味がある方々。

まずは森林の中のものを使って、左右「対称」のものを作成。算数の対称という概念を学ぶとともに、高学年では、自然の中には完全な対称というものがないことも学べます。

理科では、樹木に関するクイズを作成して、どの木かを当ててもらう、植物の特徴を理解するものやプログラムや、自然の中で、ものが朽ちていく順に並べてみる自然のメカニズムを学ぶプログラムも。

秋をテーマに、植物の仕組みを体感するプログラムでは、薄く切った木の片側に洗剤をつけて、反対側から息をフーッと吹くと、泡が出てきます。秋は植物内での水分や糖分の往き来が抑えられるために道管や師管などが詰まっていないため、息が通るのだという説明。うーん、なるほど。

実物大の樹木を枯れ枝で作成し、水分と糖分が往き来する仕組みを体を使って理解したり、
生態系や秋から冬の動物の生き方を理解するため、全員リスになってみたり。

科学的な知見に基づきながら、決して押し付けがましくなく、楽しく学べました。単純に楽しい、という方が強かったかも。でも子どもたちには、その方が身につきやすそう。

来年度からアカデミーで森林総合教育センター(仮称)が動き始める予定です。

森林教育に興味を持っている先生や地域で活動している方々と繋がることができたのが大きな収穫でした。

昨日の全体講演会の様子は森林文化アカデミーのHPにて。
https://www.forest.ac.jp/academy-archives/みんなが【つながる】森林環境教育セミナー/

 

以上、鈴木知之さんの報告でした〜〜。

ナバ